高校サッカーインターハイ注目選手 MF&FW編高校サッカーインターハイ(7月27日スタート/福島県)のプレビュー。後編では攻撃的MF&FWの注目選手6人を紹介する。前編「大会屈指のDF&ボランチ8選手」>>尚志のMF大内完介 photo b…

高校サッカーインターハイ注目選手 MF&FW編

高校サッカーインターハイ(7月27日スタート/福島県)のプレビュー。後編では攻撃的MF&FWの注目選手6人を紹介する。

前編「大会屈指のDF&ボランチ8選手」>>



尚志のMF大内完介 photo by Yoshida Taro

大内完介 
(おおうち・かんすけ/尚志/MF/3年/170cm、64kg)

 インターハイは今年から数年間、福島県での固定開催となる。大内は、地元での福島県勢初優勝を狙う尚志の注目レフティーだ。右サイドからのスピードに乗ったドリブルが特長。ボールを受けると、必ず前進することができ、カウンターからひとりで攻めきるようなシーンも多い。また、得点能力にも長け、左足からの一撃で試合を決定づける。

 今年は一時期壁に当たってコンディションを落としていたが、前任の「7番」MF安齋悠人(現京都サンガF.C.)や仲村浩二監督の助言もあって復調。積極的なプレーが増え、「また自信持ってできるようになってきた」。U-19日本代表の安齋のような爆発力はまだないものの、キレやシュートセンスは負けていない。今夏、先輩の全国8強を越え、歴史を塗り替える。



神戸弘陵のMF石橋瀬凪 photo by Morita Masayoshi

石橋瀬凪 
(いしばし・せな/神戸弘陵/MF/3年/178cm、65kg)

 神戸U-15時代はケガが多かった影響もあり定位置を掴むのが遅く、U-18への昇格は果たせなかったが、「ヴィッセルに上げておけばと思わせるプレーがしたい」と選んだ神戸弘陵高で心身ともに急成長を遂げている。

 高校入学後に身長が9cmアップ。自主練でアジリティー強化にも励んだ成果もあって、スピードが上がり、持ち前のドリブルに磨きがかかった。サイドを縦横無尽に躍動。10番を授かった今年はゴールへの意識も高まり、湘南ベルマーレへの加入内定をつかみ取った。

 2年生からレギュラーを掴みながら、決して知名度が高い選手とは言えなかったが、プレーをひと目見れば彼の虜になるだろう。夏の晴れ舞台でも主役候補であるのは間違いない。



日章学園のMF南創太 photo by Morita Masayoshi

南創太 
(みなみ・そうた/日章学園/MF/3年/170cm、61kg)

 小気味よいドリブラー。派手なプレーをするタイプではないが、細かいボールタッチから繰り出す緩急をつけた仕掛けでいとも簡単にサイドを抜け出せる。チャンスメークだけに留まらず、右サイドからカットインして放つ左足シュートの正確さも彼の魅力だ。

 入学した当初は1年生チームでも定位置を掴めずにいたが、世代別代表にも選ばれるチームメイトのFW高岡伶颯に「追いつこうという気持ちで毎日やってきた」。

 昨年の秋以降は周りを使う意識が高まったことで出場機会が増加。選手権のピッチにも立つと、今年は一気に注目度を高めた。複数のJクラブが注目しており、高卒でのプロ入りが有力視されている。インターハイで見ておいて損はない選手だ。



神村学園のMF名和田我空 photo by Morita Masayoshi

名和田我空 
(なわた・がく/神村学園/MF/3年/171cm、62kg)

 昨年、U-17アジアカップで得点王とMVPをダブル受賞したアタッカーの持ち味は、柔らかなボールタッチと的確な判断。状況に応じてドリブルとパスを巧みに使い分けて攻撃を前進させながら、ゴール前では正確なシュートを突き刺す。

 新チーム発足直後は組み立てにも関わっていたが、中盤のチームメイトの成長により前でのプレーに専念できるようになった結果、得点数も増えている。

 ヨーロッパからの熱視線が噂されており、卒業の進路にも注目が集まるが、今は高校サッカーの舞台で活躍することしか考えていない。「日本一を取るために神村学園に入ってきた。ラスト1年なので3冠を狙っている。高校サッカーの主役を自分が持っていけるように頑張りたい」。そう意気込む男は福島の地で大暴れを狙う。



帝京長岡のFW安野匠 photo by Morita Masayoshi

安野匠 
(やすの・たくみ/帝京長岡/FW/3年/174cm、63kg)

 神奈川県のシュートジュニアユースFCに所属した中学時代は、ひとりでゴールまで持ち込むタイプのドリブラーだったが、「みんながうまい」と話す帝京長岡高に加入してからは、プレーが大きく変化。昨夏のインターハイ予選の決勝で、スタッフから受けた「魅せるプレーはいらない。とにかくどん欲にボールを追って、頭からでいいから突っ込んでいけ」との指示がぴたりとハマり、走力系のFWに進化を遂げた。

 50mを6秒代前半で走る俊足を生かした前線からのプレスで、相手の守備陣に脅威を与えながら、ゴール前のボールに対し、ケガを恐れず飛び込んでいく。派手さはないが、そのひた向きなプレーが見る人を魅了するストライカーだ。



日章学園のFW高岡伶颯 photo by Morita Masayoshi

高岡伶颯 
(たかおか・れんと/日章学園/FW/3年/165cm、62kg)

 俊足を生かした前線からの守備と、推進力溢れるドリブルが目を惹くが、それ以上に際立つのはメンタルの強さ。向上心と負けん気の強さをピッチ内外で存分に表現し、チームをけん引しながら成長を続けてきた。

 昨年初めて世代別代表に選ばれると、11月のU-17ワールドカップでは3試合で4ゴールをマーク。今年に入ってからも勢いは止まらず、元日本代表キャプテンの吉田麻也(現LAギャラクシー)らがプレーしたプレミアリーグのサウサンプトンへの加入をつかみ取った。

 主将を務める今年のテーマに掲げるのは"ぶっちぎる"で、「どんなにマークされようが、ぶっちぎるぐらいの選手になりたい」と口にする。今大会はメンバー登録されるもののケガで欠場濃厚だが、勝ち上がれば出番もありそうだ。