物議を醸したドローン撮影を実施したカナダ代表。その余波は広まっている。(C)Getty Images 女子サッカー界に衝撃が走った。東京五輪で金メダルに輝いたカナダ代表による“スパイ行為”が発覚したのだ。 現地時間7月22日に米スポ…

物議を醸したドローン撮影を実施したカナダ代表。その余波は広まっている。(C)Getty Images

 女子サッカー界に衝撃が走った。東京五輪で金メダルに輝いたカナダ代表による“スパイ行為”が発覚したのだ。

 現地時間7月22日に米スポーツ専門局『ESPN』など複数メディアによって報じられたのは、“女王”の蛮行だった。25日にグループステージ初戦で対戦するニュージーランド代表がトレーニングを行っていたグラウンド上に突如としてドローンが飛来。これを操縦していたのはアナリストを含めたカナダの代表スタッフで、通報を受けて現場に駆け付けた警察に身柄を拘束されたという。

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 報道を受け、カナダ側は「衝撃を受け、失望もしている」とし、改めてニュージーランド・オリンピック委員会(NZOC)およびニュージーランド・サッカー協会に謝罪。さらにカナダ・オリンピック委員会(COC)は「非公認だった」というアナリストとアシスタントコーチの2名をチームから除外し、帰国させることを発表した。

 責任を取り、ニュージーランド戦のベンチから外れることになったカナダのベブ・プリーストマン監督は『ESPN』で「全責任は私にあり、誠実さをコミットメントするため、木曜日のゲームの指揮を自主的に辞退することにしました」とコメント。強豪が風雲急を告げる事態となった。

 無論、優勝候補の一角と見られたチームのスパイ活動は国際的に波紋を広げている。米紙『New York Post』は「カナダ代表のスキャンダルはオリンピックを揺るがす」と強調。さらに「スポーツマンシップの信頼を欠如させた」とも伝えた。

 また、英紙『The Guardian』は「メジャー大会が近づいている中で、今の状況が理想的ではないのは明らか」というカナダ代表CBのヴァネッサ・ジレスのコメントを紹介。その上で、今回の騒動が「オリンピックタイトルの防衛を目指すカナダの士気は著しく低下している。関係者を含めてチームは大きな混乱に陥っている」とカナダ代表の苦境を報じている。

 今後、国際オリンピック委員会(IOC)、大会組織委員会、そして国際サッカー連盟(FIFA)とともに「次のステップを検討している」というCOC。「当該関係者の行動はカナダの価値観やスポーツの価値観を反映していない」とも説明する彼らだが、今回の騒動に対する余波は、しばらく収まりそうにない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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