今年は雨が多かったとはいえ、雨雲が通り過ぎれば、相変わらずの真夏日が続いています。この季節に注意が必要なのが熱中症。体内の水分や塩分が不足し、熱を放出するバランスが崩れて体温調節機能が働かなくなると起こります。夏場、外にいる時に気分が悪く…

 今年は雨が多かったとはいえ、雨雲が通り過ぎれば、相変わらずの真夏日が続いています。この季節に注意が必要なのが熱中症。体内の水分や塩分が不足し、熱を放出するバランスが崩れて体温調節機能が働かなくなると起こります。夏場、外にいる時に気分が悪くなったら、それは熱中症のサインかもしれません。

 熱中症対策グッズは数ありますが、実際に熱中症になってしまったら一体どうすればよいのでしょうか? そんなもしものときに備えておきたいのが、すばやい応急処置ができるアイテムがそろった応急キットです。

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スポーツ医学の専門医と共同開発した、本格的な熱中対策セット

 めまい、立ちくらみ、筋肉痛、筋肉の硬直、大量の発汗、頭痛、吐き気や嘔吐、身体がだるい、手足のけいれん、高体温、意識がもうろうとするなど……。熱中症が発生すると、さまざまな症状が現れます。このようなときには、早めに対処することが重要です。

 「クールビット・熱中対策キット」は、暑い季節の野外活動を安全に続けられるように、順天堂大学スポーツ医学桜庭研究室の監修により作られました。熱中症になってしまった時、救急車が到着するまでに、短時間で的確に応急処置をするための応急アイテムが充実しています。

 貯水槽にもなる専用バッグ、引っ張ることで冷える瞬間冷却剤、首回りを直接冷やせる頸動脈ポケット、体温上昇を防ぐ冷却布として使えるチタン三角巾など、医学的な見地から生まれたアイテムが収納されています。

【主な使い方】

・専用冷却剤を太い血管のある脇の下、左右の足の付け根など体に密着するように装着します。

・頸動脈ポケットを10秒ほど水に浸し、軽く絞ります。冷却剤を頸動脈ポケットに入れ、首元に密着するようにあてがいます。

・同様にチタン三角巾も10秒ほど水に浸して軽くしぼり、身体にかぶせます。

・血圧の急な低下など、ショック症状を予防する為、心臓よりやや足を高くして寝かせます。


業界に先駆けて開発された熱中症の応急セット

 業界に先駆けて熱中症の応急処置に必要なグッズを一つにしたのが、ミドリ安全の熱中対策応急セットです。厚生労働省による熱中症予防の通達にもとづいて作られているというので、その内容は安心できるものでしょう。

 叩くと冷える瞬間保冷剤、長期保存の飲料水、食塩などのほか、口や脇の下で測れるカード式の液晶体温計や、熱中症の応急処置をわかりやすく解説したガイドなどもセット。軽量でコンパクトなので、保管や持ち運びに便利です。収納バッグはオレンジと目立つ色にして、どこに置いても目に入りやすく、健康の啓発になるように考えられています。

【主な使い方】

<めまい、立ちくらみなどの軽い熱中症の場合>

・セットの中の食塩を舐めながら飲料水を飲み、水分と塩分を補給する。

<意識がないなどの重症の場合>

・飲料水を直接体にかけ、扇子であおぎ、気化熱で体を冷やす。

・瞬間冷却剤を首や脇の下、足の付け根などに当てて、体温を下げる。

・セットの体温計で、体温や体調をチェックする。


熱中症の症状別にみる応急処置の方法とは?

 これらの熱中症応急キットを見ると、身の回りにあるものでも熱中症の応急処置もできそうです。そこで、熱中症応急キットの使い方にもあった応急法を、症状別に紹介したいと思います。

【めまいや冷や汗、一時的な失神】

 日陰やエアコンの効いた部屋など、日差しを避けて涼しい場所に移動します。首や脇、太ももなどを冷却剤か冷やしたタオルなどで冷やし、足を高くして休んでください。

【手足のけいれんによる筋肉痛などの熱けいれん】

 大量の汗をかいた後、水分だけをとり、塩分をとらないと起こります。1リットルの水に9g程度の食塩を溶かした生理食塩水を作り、それを飲むことで体から失われた塩分を補います。

【だるさ、嘔吐や頭痛】

 大量に汗をかいたことによる、重症の脱水症状が原因となる熱疲労が疑われます。塩分を含んだ水もしくはスポーツドリンクを飲ませてください。また、脳に血液が回りにくくなっているため、足を頭より高い位置にあげて休ませます。

【体温が高い、呼びかけても応答しない、意識の障害がみられる】

 命の危険がある重症の熱中症のひとつ、熱射病が疑われます。すぐに救急車を呼んでください。救急車が到着するまでの間は、首や脇の下、太ももの付け根の部分などに冷却剤を当て、うちわや扇子であおぐなどして、異常に高くなった体温を下げます。

 熱中症が疑われるものの、意識もある時は応急処置で対応します。一方、意識がない、自力での回復が難しい、体調が悪化した時などは、ただちに救急車を呼ぶか病院に行くようにしましょう。このような状態にならないためにも、暑い時にはできるだけムリをしないこと。適度な休息、水分をこまめにとる、塩分を適度にとる、冷却シートやスカーフなど冷却グッズを身につけるなど、熱中症の予防を心がけることも大切です。

 熱中症は高齢者や肥満の人、過去に熱中症を起こした人がなりやすいといわれています。また体調が悪い時は体温調節がうまくいかず、発症することがあります。もし症状が出てしまったら、ご紹介した応急処置で様子を見て、それでも治らなければ病院でも診てもらうようにしましょう。

[監修者プロフィール]
株式会社日曜発明ギャラリー(にちようはつめいぎゃらりー)。暑さ対策や熱中症対策、紫外線対策商品の開発や販売を手掛ける。「クールビット・熱中対策キット」の開発を担当。発明アイデア商品の開発や販売、商品化支援なども行う

 

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<Text:H14香城由里/Photo:日曜発明ギャラリー、ミドリ安全、Getty Images>

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