全国高校総体(インターハイ=読売新聞社共催)は24日、フェンシングの個人エペ決勝が行われ、男子は山口竜之介(鹿児島・鹿児島南)が優勝し、女子は田村優和(神奈川・法政二)が制した。男子エペの山口は、3年で初めて出場したインターハイで初優勝。昨…

全国高校総体(インターハイ=読売新聞社共催)は24日、フェンシングの個人エペ決勝が行われ、男子は山口竜之介(鹿児島・鹿児島南)が優勝し、女子は田村優和(神奈川・法政二)が制した。

男子エペの山口は、3年で初めて出場したインターハイで初優勝。昨年、高校の先輩にあたる篠原功(法大)が勝ち取ったタイトルを、見事に「防衛」してみせた。

1メートル77の体格と長い腕に、グリップの長いフレンチ剣を組み合わせたリーチが持ち味。懐に飛び込んできた相手の隙を突き、ポイントを重ねて勝ち上がった。攻め込む技術の向上にも努めてきたといい、決勝では細かいフェイントを重ねながら前に出て、連続ポイントを奪った。

中学までは野球に打ち込んでいたが、東京五輪の男子エペ団体で金メダルに輝いた日本代表に目を奪われた。ルールもほとんど知らなかったというが、「『戦い』という感じで、とにかくかっこよかった」。中学生を対象にした練習参加を経て強豪校に入り、わずか2年あまりで全国の頂点に立った。

「夢はオリンピックに出て、金メダルを取ること」と山口。実現に向け、大きな一歩を踏み出した。(緒方裕明)