豪州戦・サウジアラビア戦に向けた日本代表は、総勢27選手が顔をそろえた。この大所帯が意味すること、そして内包する懸念と…


 豪州戦・サウジアラビア戦に向けた日本代表は、総勢27選手が顔をそろえた。この大所帯が意味すること、そして内包する懸念とは—。

 世間でもすでに賛否両論が語られているメンバー招集。親善試合であれば交代選手枠が多く設けられ、テスト起用の幅も持てる。過去の体制でも同様の大量招集が行われたことはあった。

 しかし、今回はW杯最終予選という公式戦。当然交代枠は1試合3選手のみで、試合登録できるメンバーもW杯本大会と同様の23人である。自ずと4選手はベンチにも入れずスタンド観戦となる。

 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「初めて27人を呼ぶ。いくつか心配な点がある選手がいるので、リスクを冒したくない」と語った。また、「これまでで招集リストを作るのが一番難しかった」とも発言している。主力勢に負傷者が続出していることは、既報されているとおり。これまでも常に代表招集前には、けが人や選手のコンディションの良し悪しにデリケートな態度を見せてきた指揮官だけに、今回も頭を抱えていた姿が容易に目に浮かぶ。

 大量招集はいわば保険である。ただ、どんな指揮官でも大勢を束ねるということは簡単な仕事ではない。

「われわれが作っている物語は、2、3人の選手の物語ではなくグループの物語。選手たちの状態を見て、最も良い状態の選手を選び、勝利をつかみ取りたい」。

 チームの結果こそがすべてというハリルホジッチ監督の言葉に異論を挟む余地はない。人心掌握に長けたタイプの将であれば、モチベーションやフォア・ザ・チームの精神を個々に授けられる。もちろんこの大一番を前に、表立って起用面に不満を表す選手はいないだろう。しかし、これまでの指揮を振り返っても、ハリルホジッチ監督は決して人のマネジメントに長けたタイプでは、ない。

 これは決戦である。本来は精鋭の面々で、力が散漫になることなく塊となって戦いたい。今回の指揮官の選択と選別。保険の裏側にはリスクも隠れている。

文・西川 結城