今週は夏の新潟開催の幕開けとなる名物重賞、サマースプリントシリーズ第3戦、第24回アイビスサマーダッシュ(GIII、芝・直線1000m)が行われる。 今年は、前哨戦となる韋駄天Sを制したチェイスザドリームをはじめ、2着マウンテンムスメ、3着…

今週は夏の新潟開催の幕開けとなる名物重賞、サマースプリントシリーズ第3戦、第24回アイビスサマーダッシュ(GIII、芝・直線1000m)が行われる。

今年は、前哨戦となる韋駄天Sを制したチェイスザドリームをはじめ、2着マウンテンムスメ、3着ファイアダンサーなど、同レースからの臨戦組が8頭エントリー。そのほか、北九州記念3着で復調気味のモズメイメイや、海外を渡り歩いているジャスパークローネなど、いずれ劣らぬ快速自慢が集結し、どんな結末となるだろうか。

そんな中、実績上位のウイングレイテストが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。

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■勝ち切れない条件が揃い過ぎる

昨年のスワンSで、6歳秋を迎えて待望の重賞初制覇を果たしたウイングレイテスト。キャリアの大半をマイル前後で戦ってきたが、近走は短距離戦にシフトチェンジし、今年初戦はサウジアラビアへ遠征し、1351ターフスプリントで4着に好走。帰国初戦の前走函館スプリントSでは、初の1200m戦、酷量59キロを背負いながらも2着を確保し、今度は初めての直線競馬で、サマースプリント王者を狙っている。

短距離適性を示している近況の充実ぶりだが、アイビスSDを制するためには、やはり直線競馬の経験値が大きくモノをいう。過去10年の勝ち馬延べ10頭中8頭は、当レースへ出走する以前に、新潟の直線競馬を少なくとも1回は経験していた馬たち。未経験で勝利した2015年ベルカント、21年オールアットワンスは、いずれも牝馬で、直線競馬未経験の牡馬は分が悪い。

また、前走に引き続き59キロを背負うウイングレイテストだが、レースが創設されて以降、アイビスSDで58キロ以上の馬の成績は【0.0.0.10】で一度も馬券に絡んだことがない。レース連覇を狙った2005年カルストンライトオ(59キロ、1人気4着)をはじめ、11年ヘッドライナー(58キロ、2人気11着)、13年パドトロワ(59キロ、2人気10着)、17年ネロ(58キロ、3人気10着)など、実績上位で人気を集めるものの、斤量に泣くケースが多く見られており、直線競馬では大きなハンデとなっている。

ちなみに、鞍上・松岡騎手の直線競馬での戦績は、近年騎乗数が少ないこともあるが、2015年8月以降勝っておらず、加えて牡馬での成績は【1.3.4.19】と、デビュー以来わずか1勝のみと、決して得意とは言えない条件。未経験の直線競馬で、59キロの斤量という大きなハンデも加味すると、人気ほどの信頼感はないと考え、今回のウイングレイテストは思い切って「消し」でいってみたい。

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◆著者プロフィール

石川豊●いしかわゆたか 20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。