ペレスに見切りをつける可能性が高まってきた(C)Getty Images 成績不振でレッドブルから解雇される危機に直面しているセルジオ・ペレス(メキシコ)がF1第13戦ハンガリーGPで7位に沈んだ。予選ではスピンによるクラッシュで1…

ペレスに見切りをつける可能性が高まってきた(C)Getty Images

 成績不振でレッドブルから解雇される危機に直面しているセルジオ・ペレス(メキシコ)がF1第13戦ハンガリーGPで7位に沈んだ。予選ではスピンによるクラッシュで16番タイムと振るわず、結果的に9つポジションを上げたが、チームメートのマックス・フェルスタッペン(オランダ)をアシストできず、夏休み期間中に「クビ」を宣告される可能性が強まった。

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 フェルスタッペンの決勝順位は5位。マクラーレンのワンツーフィニッシュを許したほか、メルセデス、フェラーリの後塵を拝した。惨敗だったといえる。

 ペレスは来季以降もチームに残留する発表されてはいるが、安泰ではない。今季、第14戦ベルギーGP時点でフェルスタッペンと100点以上の差をつけられた場合は、チーム側が契約を打ち切ることができるパフォーマンス条項が契約に盛り込まれているとされ、崖っぷちの状態だ。

 ハンガリーGP終了時点でランキングトップのフェルスタッペンが265点に対し、ペレスはランキング8位の124点。その差は141点に開き、次戦ベルギーでペレスが優勝するなどしてフルポイントの26点を獲得しても100点以上の差は変わらず、いつでもオプションを行使できる状況にある。

 『F1TV』によると、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表はレース後に「チェコ(ペレスの愛称)は力強いレースをしてくれた。第1スティントで(メルセデスの)ラッセルに後れを取ったが、そこから巻き返して16位から7位でフィニッシュした。いいリカバリーだった」とコメントした。ただし、上位争いできなかった事実は深刻に受け止めているもようで、人事に関する会議はベルギーGP終了後に実施するとみられている。

 後任ドライバーについては混沌としている。英メディアの『F1オーバーステア』は、ハンガリーGPで9位入賞を果たし、ランキング12位につけるRBの角田裕毅については最有力候補としてみなされていないと伝え、チームメートのダニエル・リカルド(オーストラリア)か、レッドブルでリザーブを務め、昨季はアルファタウリ(現RB)で代役参戦ながらF1デビューを果たしたリアム・ローソン(ニュージーランド)の2人が有利な立場にいるとしている。

 レッドブルはコンストラクターズタイトルの首位を守っているものの、2位に浮上したマクラーレンとの差を51点に詰められた。このままのペースでは逆転されてしまいかねない。ドライバーズタイトルについても首位のフェルスタッペンと2位につけるマクラーレンのランド・ノリスは76点差。自力でノリスが逆転王者となる可能性を残している。

 レッドブルの急失速ぶりは6月にペレスの残留を発表してから顕著になった。チーム首脳陣の責任を問う声が日に日に増している。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]


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