首位ターン実現には阿部監督の起用法も光った(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext  巨人は前半戦最終となる7月21日の中日戦(バンテリン)に4-1と勝利。投打がかみあっての快勝劇で34年ぶり…

 

首位ターン実現には阿部監督の起用法も光った(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext

 

 巨人は前半戦最終となる7月21日の中日戦(バンテリン)に4-1と勝利。投打がかみあっての快勝劇で34年ぶりに前半戦セ・リーグ全カード勝ち越し&5年ぶり首位ターン、貯金は今季最多となる8まで伸ばした。

【動画】救世主となれるか、ヘルナンデスが放った4号2ランシーン

 

 前半戦有終締めを演出したのは、新戦力の若林楽人だった。「6番・左翼」で先発、5回無死一塁で松葉貴大から左翼席に先制の2ランを放り込むと6回無死一、三塁の場面ではニゴロを放ったが、快足を飛ばし、併殺崩れで追加点をもたらした。

 6月下旬に松原聖弥との交換トレードで西武から移籍、俊足巧打の外野手として存在感を発揮し続けている。

 投げてはベテランの菅野智之が6回5安打1失点でチームトップの8勝目をマーク。近年はコンディション不良で悩まされる時期も長かったが、蘇ったベテランが投手陣をけん引している。

 また前半戦は完封負けも多く、得点力不足も課題とされた中、首位ターンを実現させた要因には、「ピストン補強」ともいえる、フロントのバックアップ体制も光った。

 開幕直前には新外国人のルーグネッド・オドーアが2軍調整を拒否して退団。チームに衝撃が走る中、フロントは新外国人のエリエ・ヘルナンデスを獲得。交流戦から合流した新助っ人はここまで41試合に出場し、打率「.319」、6本塁打、23打点。クリーンアップの一角を担い、主砲の4番、岡本和真につなぐ3番打者の役割をしっかり務めている。指揮官をして「いなかったと思えば、ぞっとする」と全幅の信頼を置く助っ人外野手の存在がチームに勢いを与えたといえそうだ。

 またこの試合でヒーローとなった若林も6月下旬の交換トレードでの移籍組。後半戦に向けては、内野のユーティリティで知られる新助っ人のココ・モンテスも獲得と、戦力補強においてフロントが多角的に目を配っていることが快進撃に結びついた要因にあげられる。

 また青年指揮官のチームマネジメントも光る。前半戦においては、野手では主力の大城卓三、坂本勇人を2軍で調整させた。打撃不振に陥った2選手に対して、考える時間を与え、復調のきっかけをつかませるとともに、若手にはチャンスを与えることでチームに好循環をもたらした。

 投手陣、特にリリーフ陣においては連投させないなど、無理させない方針を貫き、現在の救援防御率は「2.26」と安定。開幕時に勝利の方程式の一角を務めたルーキーの西舘勇陽も後半戦を見据え、ファーム調整中とあって、再び1軍マウンドでの勇姿が期待されている。

 今季は球団創設90周年の節目の年。常勝軍団において結果が求められがらも起用、作戦が間違っていると感じたときには自らで謝罪するなど、新しい指導者スタイルを確立しつつある。

 ベストフィニッシュとなった前半戦を終え、26日のDeNA戦(横浜)からいよいよ勝負の後半戦はスタートする。新指揮官がどんな舵取りで4季ぶりのV奪回への道を描くのか。今後の戦いぶりも注目となりそうだ。

 

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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