スピードで圧倒した那須川が、3ラウンドでロドリゲスを沈めた(C)産経新聞社 ボクサーとしての確かな成長を示す一戦となった。 7月20日、東京・両国国技館でWBA世界バンタム級7位の那須川天心(帝拳)がボクシング転向4戦目として、同級…

スピードで圧倒した那須川が、3ラウンドでロドリゲスを沈めた(C)産経新聞社

 ボクサーとしての確かな成長を示す一戦となった。

 7月20日、東京・両国国技館でWBA世界バンタム級7位の那須川天心(帝拳)がボクシング転向4戦目として、同級4位のジョナサン・ロドリゲス(米国)と対戦した。120ポンド(約54.43キロ)契約10回戦で行われたこの試合で那須川は、3回1分49秒TKO勝ちでデビューから4連勝。転向後初となる、”KO”勝利を収めた。

【動画】圧巻のTKO勝ち!那須川天心が見せた猛ラッシュの映像

 世界上位ランカーをなぎ倒し、鮮やかな勝利を飾った。試合序盤から積極的にパンチを繰り出していた那須川は、2ラウンド終盤、左ストレートをロドリゲスの顎にヒットさせ、ラッシュを仕掛ける。ラウンド終了のゴングが鳴らされダウンは奪えなかったものの、攻勢は3ラウンドでも続いた。またも左ストレートで相手の動きを止めると、左ボディー、アッパーを当て、ダウンを奪う。そこから何とかロドリゲスは立ち上がったものの、レフェリーがストップを宣言し那須川の勝利が決まった。

 那須川は初めて世界ランカーを相手にした今年1月、一方的な展開で試合を支配したものの、3回終了時、相手が棄権したことで白星を手にしている。初のTKO勝利だったものの消化不良で終えたことにより、今回の一戦では本人のみならず、周囲からも目に見えるKO勝ちを期待されていた。その反応に十分応える内容で勝利を挙げており、試合後には次戦での地域タイトル挑戦をアピールするなど、いつも以上にマイクも冴えわたっていた。

 豪快な勝ちっぷりでファンを納得させた那須川のパフォーマンスは、米ボクシングメディア『The Ring』も大きく報じている。

 同メディアは「テンシン・ナスカワは、今年初めのキャリア初のストップ勝ちには満足していなかった」と振り返るとともに、今回の一戦には「土曜日のパフォーマンスは、はるかに満足のいくものだった」と試合内容を評した。

 さらに、「ほとんどのボクシングファンは、2018年大晦日に行われた殿堂入りの偉大な選手フロイド・メイウェザーとのエキシビションマッチをナスカワの名前と結びつけるだろう」と説いており、その上で「しかし、元キックボクシングのスターは現在、ボクサーとして本領を発揮している」として、成長度合いを称えている。

 また、那須川の試合後のコメントにフォーカスし、「まだピークには達していない。バンタム級王座に挑戦したい」と語っていたことについて、同メディアは「プロキャリアわずか4戦目にして、他のファイターをはるかに凌駕する抱負を抱いている」と綴っている。

 那須川は今回、世界ランカーをマットに沈めただけでなく、これまで同様ほぼノーダメージで試合を終えた。25歳がみせる進化により、ボクサーとしての評価が国内外で急速に高まり続けていることは間違いなさそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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