優勢の声に応えて快勝と行きたいところだ(C)Getty Images 7月20日、東京・両国国技館でプロボクシングWBC世界バンタム級王者の中谷潤人(M・T)が初防衛戦に挑む。中谷はプロデビュー以降、27戦27勝(20KO)と驚異的…

優勢の声に応えて快勝と行きたいところだ(C)Getty Images

 7月20日、東京・両国国技館でプロボクシングWBC世界バンタム級王者の中谷潤人(M・T)が初防衛戦に挑む。中谷はプロデビュー以降、27戦27勝(20KO)と驚異的な戦績を残しており、バンタム級2戦目で迎える今回のタイトルマッチでも、日本人王者の優位を予想する声は少なくない。

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 一方、挑戦者である同級1位のビンセント・アストロラビオ(フィリピン)は敵地のリングで、初の世界タイトル戴冠を目指す。23戦を戦い19勝4敗というプロキャリアを歩んできたアストロラビオにとっては、三階級制覇王者と拳を交えるという、まさに過去最大級のビッグファイトだ。

 4人の日本人ボクサーがベルトを独占するなど、同階級への注目度が高まっている中で行われる今回の一戦。当然、海外メディアからも熱視線が送られており、挑戦者の地元フィリピンの『The Manila Times』でも、両者の戦いを大きく取り上げている。

 7月18日に配信となった特集記事では、王者・中谷の選手としての特徴などを紹介している他、ベルトに挑む自国のファイターの勝算についても言及している。

 同メディアは、「アストロラビオにとって楽な試合にはならないだろう。彼は今日の日本で最高のチャンピオンの1人と対戦するため、できる限りのスキルと運を駆使する必要がある」と指摘し、挑戦者の苦戦を予想。さらに中谷については、「信じられないかもしれないが、2020年11月から2024年2月までで、ナカタニはフライ級(WBO)、スーパーフライ級(WBO)、バンタム級(WBC)で世界タイトルを獲得した。わずか4年で3階級のチャンピオンとなった」と若くして王座に上り詰めてきたキャリアも称えている。

 だが、その一方では、「ナカタニが優勢なのは当然だが、アストロラビオとの対戦で初めて真の実力が試されるかもしれない。ナカタニは118ポンドでの試合が2度目だが、フィリピン人はこの体重に慣れている」と主張。中谷が階級転向から間もない点を“ウィークポイント”に挙げている。

 さらに同メディアは、「それは難しい要求となるだろうが、2022年2月にキューバのギジェルモ・リゴンドーを破って番狂わせを演じたことで示したように、アストロラビオには状況を一変させるだけの力がある」と挑戦者へ期待の言葉を並べた。

 海外での評価も高めている中谷がこの一戦でもスキルの高さをみせつけ、ベルト防衛を果たすのか。それとも、自国メディアよりエールが送られているアストロラビオが予想を覆すのか。大一番の開始を告げるゴングは、まもなく鳴らされようとしている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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