※本記事は、医師による執筆記事です。 食習慣・生活習慣の変化や環境の影響かもしれませんが、今の時代、特に女性は乳がんにかかりやすくなっています。およそ10人に1人が、一生に一度は乳がんになります。また男性の乳がんも増えています。…

※本記事は、医師による執筆記事です。

 食習慣・生活習慣の変化や環境の影響かもしれませんが、今の時代、特に女性は乳がんにかかりやすくなっています。

およそ10人に1人が、一生に一度は乳がんになります。また男性の乳がんも増えています。
つまり1クラス30人の教室ならば、クラスメートのうち、2人から3人が乳がんになるということです。

そういうととても怖い感じがしますが、実は乳がんはもっとも死なない癌の一つです。
自分で触って直径1cm以下で乳がんを見つけることができれば、ほぼ乳がんで死ぬことはありません。

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早期発見するためには?

女性の場合、生理の前つまり排卵後2週間は黄体ホルモンの影響で乳腺が腫れていて、乳がんが見つかりにくい時期です。
乳がんは生理が終わった後すぐの乳房の触診で見つかることが多い傾向にあります。ですから、少なくとも生理直後1ヶ月に1回、可能なら1週間に1回はお風呂に入った時に素手に石鹸をつけて乳房を洗いましょう。
乳がんは乳房の外側にできやすい癌なので、脇の下から乳頭にかけて手のひらで円を書くように洗います。さらに乳頭の上側、内側、下側も円を描くように洗っていきます。
大豆のような感触の腫瘤が手のひらに触れたら乳がんの可能性があるので、すぐに乳腺科のクリニックを受診しましょう。

30代を超えたら

さらに30歳を超えたら、1年に1回は超音波検査とマンモグラフィーの検診を受けたほうが良いでしょう。超音波検査でしか見つからない乳がんや、マンモグラフィーでしか見つからない乳がんも存在します。
公的検診では片方の検査しかできない場合が多いですが、国民全体の乳がんをもっとも低コストで見つけるための検診ですので、自分自身のためには追加に料金を支払ってでも両方受けたほうが良いです。

ちなみに女性医療クリニックLUNA横浜元町では、マンモグラフィーと超音波検査を受けた後、当日に乳腺外科医から結果を説明してもらえるアプリコット検診(エクスプレス)を実施しています。忙しい女性にはおすすめです。

毎日のチェックや、年に1回の検診を徹底しましょう

乳がんにならないための生活習慣に関しては、様々なリスクがあげられます。
例えば、牛乳や牛肉がよくない・高脂肪食はよくない・妊娠回数や授乳経験の減少が悪い・飲酒が悪い等ですが、現在の女性にとってみれば、お肉や乳製品は食べたいし、子供も1人か2人で良いし、アルコールも飲みたいと思います。ですから、生活を気にするよりも毎週入浴時に乳房チェックをしたり、1年に1回、しっかり検診を受けたりとするほうが重要でしょう。

最近は、乳房温存する治療も増えている

治療に関しては、最近は、乳房温存する治療も増えており、同時に乳腺再建手術をする場合も増えています。ですから乳房の無くなるとか形が悪くなるという心配はありません。乳がんは早期発見が一番ですので、ちょっとでも気になったらすぐに乳腺のクリニックを受診しましょう。

[文:フェムゾーンラボ]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

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関口 由紀

神奈川県横浜市出身の医師。日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本東洋医学会専門医・指導医、日本性機能学会認定専門医、日本排尿機能学会認定専門医、日本女性骨盤底医学会認定専門医、医学博士、経営学修士。女性医療クリニックLUNAグループの理事長、横浜市立大学大学院医学部泌尿器病態学客員教授を務める。