いよいよ夏も本番となり、夏競馬が本格化。夏競馬と聞いて思い浮かべるのは、やはり“北海道開催”だろう。函館6週、札幌7週の計13週にわたって開催され、夏の北海道を彩る約3カ月間の一大イベントだ。  そんな北海道開催中の競馬番組表を見て気づ…

 いよいよ夏も本番となり、夏競馬が本格化。夏競馬と聞いて思い浮かべるのは、やはり“北海道開催”だろう。函館6週、札幌7週の計13週にわたって開催され、夏の北海道を彩る約3カ月間の一大イベントだ。

 そんな北海道開催中の競馬番組表を見て気づく方もいるのではないだろうか。北海道開催には同じ冠名がついたレースが多いのだ。一般的に2回以上冠レースを行う場合、上半期と下半期に分けるなど間隔を空けることが多い(例:京王杯SCと京王杯2歳S、毎日杯と毎日王冠など)。しかし、北海道は開催期間が夏の3カ月に集中しているため、放送各局の冠レースが集中してしまっているのだ。また開催条件も芝の短距離戦が多数。結果、判別が難しくなっている。そこで各レースの開催条件や、見分け方を紹介したい。

 レース名と各条件は以下の通り。

・HBC賞(札幌) 7/21 3歳上2勝クラス 1200m(芝)(牝)定量

(HBC:札幌市に本社を置く北海道放送の略称。ラジオは1952年、テレビは1957年開局でTBS系列)

・STV杯(函館) 6/15 3歳上2勝クラス 1200m(芝)定量
・STV賞(札幌) 7/27 3歳上3勝クラス 2000m(芝)ハンデ

(STV:札幌市に本社を置く札幌テレビ放送の略称。テレビは1959年開局で、NNN(日本テレビ)系列、ラジオは1962年開局でNRN(文化放送・ニッポン放送)系列)

・HTB杯(函館) 6/23 3歳上2勝クラス 1200m(芝)ハンデ
・HTB賞(札幌) 8/4 3歳上2勝クラス 1800m(芝)定量

(HTB:札幌市に本社を置く北海道テレビ放送の略称。1968年開局で、ANN(テレビ朝日)系列)

・UHB杯(函館) 6/16 3歳上3勝クラス 1200m(芝)ハンデ
・UHB賞(札幌) 8/11 3歳上オープン 1200m(芝)別定

(UHB:札幌市に本社を置く北海道文化放送の略称。1972年開局で、FNS(フジテレビ)系列)

・TVh杯(函館) 6/29 3歳上3勝クラス 1200m(芝)定量
・TVh賞(札幌) 7/20 3歳上3勝クラス 1200m(芝)定量

(TVh:札幌市に本社を置くテレビ北海道の略称。1989年開局で、TXN(テレビ東京)系列)

 ご覧になって気づく方も多いかもしれない。函館で開催されるレースは“杯”で、札幌で開催されるレースは“賞”なのだ(変則開催などによる例外はあり)。したがって、今週末行われるのは札幌開催なので、冒頭の答えはTVh賞ということになる。

 これらの競走はここを勝って重賞の舞台に駒を進める馬も多い。なかでもUHB賞(OP)は、13年の勝ち馬ストレイトガールが後にヴィクトリアマイル連覇。HTB賞では、17年の勝ち馬ディアドラが後にGI・2勝を挙げるなど北海道の地から大舞台へ羽ばたいていった。また、18年にはクリーンファンキーがUHB杯(1000万下)とUHB賞(OP)を同年で制覇という“珍記録”を達成しているのも面白い点だ。

 北海道開催は今週から函館から札幌に舞台が移り、いよいよ後半戦。夏競馬の楽しみの一つとして、レース名に注目しても面白いのではないか。引き続き夏競馬を楽しんでいただきたい。