■仙台はシステム変更が機能せず  J2リーグ第24節が7月13、14日に開催され、6位のベガルタ仙台は14日、12位の徳島ヴォルティスとアウェイで対戦した。両チームの前半戦の対戦はスコアレスドローで、6月の天皇杯2回戦では仙台が0対1で敗…

■仙台はシステム変更が機能せず

 J2リーグ第24節が7月13、14日に開催され、6位のベガルタ仙台は14日、12位の徳島ヴォルティスとアウェイで対戦した。両チームの前半戦の対戦はスコアレスドローで、6月の天皇杯2回戦では仙台が0対1で敗れている。

 森山佳郎監督が指揮する仙台は、夏の移籍市場で獲得した新戦力を起用してきた。DF高田椋汰が累積警告で出場停止のDFラインには、横浜F・マリノスから加入したDF實藤友紀が入った。さらに最前線には、レノファ山口FCから獲得したFW梅木翼が構える。これに伴って、システムがいつもの4-4-2ではなく3-4-2-1となった。

 183センチの梅木が起点となり、2シャドーのFW中島元彦とMF郷家友太が彼に絡む。さらには両ワイドのDF真瀬拓海とMF相良竜之介が高い位置を取る、というのが仙台の狙いだが、序盤から押し込まれることで両ワイドが高い位置を取れない。梅木も空中戦、地上戦ともに、相手CBとのバトルで劣勢を強いられる。

 選手の入れ替えとシステムが機能しないまま、27分には先制点を許す。徳島MF岩尾憲の右CKから、DF内田航平に押し込まれた。

 夏の移籍市場で徳島に復帰した岩尾と主将の永木亮太、それに2シャドーの一角を担う柿谷曜一朗らは、相手のプレッシャーを受けても決して慌てずに、判断を変えることができる。右ウイングバックのエウシーニョも含めて経験豊富な選手を揃う徳島に、仙台は前半の主導権を握られた。

■後半は敵陣でのボールを動かすが

 後半開始とともに、森山監督が交代カードを切る。實藤が下がってDF知念哲矢が入る。システムも4-4-2に戻した。

 松井蓮之、長澤和輝のダブルボランチを経由し、左サイドから相良が、右サイドから真瀬が突破を仕掛けるのが仙台の攻め筋である。しかし、ミドルブロックで対応する徳島の守備にスキはなく、横パスとバックパスが増える。少しでもパスが乱れると、岩尾や永木のプレスに襲われる。セカンドボールが徳島へ多くこぼれるのは、試合の流れを反映したものだっただろう。仙台は攻撃の矢印を縦へ向けられないまま、時間が過ぎていった。

 63分、試合が再び動く。自陣右サイドで永木にボールを刈り取られ、その流れで右サイドを突かれる。柿谷にペナルティエリア脇へ侵入され、グラウンダーのクロスをマイナスへ通されると、エウシーニョが完全にフリーとなっていた。守備を完全に崩され、仙台は2失点目を喫した。

 0対2となった直後、森山監督は長澤からMF松下佳貴、梅木からFWエロンへスイッチする。67分には前線から規制をかけてボールを奪い、中島がペナルティエリア手前で前を向くが、得点に結びつけることはできない。

 前半に比べれば、敵陣でボールを動かす時間は増えた。しかし、チームのストロングとする相良の仕掛けは散発で、相良とともにチームトップの得点をあげている中島が足を振る場面はなかった。

 森山監督は80分にCB小出悠太を下げ、MF鎌田大夢を投入する。左SBの知念を左CBへスライドさせ、松下がボランチのポジションから左SBへ下がる。鎌田は松井とダブルボランチを組む。

 83分には中島が足を痛め、MF有田恵人がピッチに立つ。攻撃的な布陣で得点を狙うが、徳島の守備を崩しきれない。仙台は0対2で押し切られ、今シーズン2度目の連敗となった。

 今節は勝点の近いレノファ山口FCやジェフユナイテッド千葉も敗れたため、仙台の順位は6位のままだ。しかし、7位の千葉とは勝点2差、8位のいわきFCと9位の愛媛FCとは勝点4差と、10位の徳島とは勝点6差と、J1昇格プレーオフ圏をめぐる争いは拮抗してきている。

 守備ではこのところ増えているリスタート絡みの失点を減らす。攻撃では中島と相良、さらには郷家や梅木がゴールを狙える形を再構築する。2週間の中断期間で攻守ともに磨き上げることが、仙台には求められている。

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