2003年の全米オープンでアンディ・ロディック(アメリカ)がタイトルを獲得したのを最後に、アメリカ人男子選手にシングルスでのグランドスラム優勝者はない。セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)以外で最後にグランドスラムを制した女子アメリカ人選手は…

 2003年の全米オープンでアンディ・ロディック(アメリカ)がタイトルを獲得したのを最後に、アメリカ人男子選手にシングルスでのグランドスラム優勝者はない。セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)以外で最後にグランドスラムを制した女子アメリカ人選手は、2008年のウィンブルドンでセレナを破った姉のビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)である。

 ロディックは引退し、今年7月に国際テニスの殿堂入りを果たした。セレナは現在妊娠中で、来月第一子が生まれる予定だ。

 ビーナスは、極度の疲れや関節痛を引き起こすシェーングレン症候群という持病を持ちながらも、今シーズンは37歳にして、全豪で妹のセレナに、ウィンブルドンではガルビネ・ムグルッサ(スペイン)に決勝で敗れはしたものの、グランドスラムの2大会で準優勝を果たしている。

 33歳で最後にタイトルを獲得したのを含め、グランドスラム18勝を挙げているマルチナ・ナブラチロワ(アメリカ)は、ビーナスについて以下のようにコメントしている。

「私は、ビーナスには優勝の可能性があると思うわ。何年も前のことになるけど、あなたはどこが悪いか分かっているし、どう対処すればいいかも分かっている、とビーナスに直接言ったことがあるの。言うまでもなくビーナスは、食事や生活スタイルなど、うまく対処しているわ。4、5年前にビーナスがグランドスラムのタイトルを獲得する可能性があると思った人がいるとは思えない。彼女が今もプレーしていることをうれしく思うわ。ビ-ナスが初めてツアーに参戦したときのことを覚えている。ビーナスもセレナも20代後半や30代までプレーすることはないと言っていたけど、2人ともいまだ現役でプレーしているわよね」

 月曜日から始まる全米オープンでは、アメリカ人選手の中ではビーナスがもっとも優勝に近い選手かもしれない。男女を通じて今回出場するアメリカ人選手の中で、グランドスラム大会を制した経験があるのはビーナスだけである。ビーナスは、これまでグランドスラムのシングルスで7勝を挙げており、2000年と2001年には全米オープンのタイトルを獲得している。

 今年最後のグランドスラム大会である全米オープンで、上位進出の可能性がある有望なアメリカ人を以下に示した。

●女子シングルス◎マディソン・キーズ(世界ランク16位)、ココ・バンダウェイ(世界ランク21位)、キャサリン・ベリス(世界ランク36位)

●男子シングルス◎ジョン・イズナー(世界ランク14位)、ジャック・ソック(世界ランク17位)、サム・クエリー(世界ランク21位)、フランシス・ティアフォー(世界ランク71位)(C)AP(テニスマガジン)

※写真は「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク)に女子アメリカ勢トップの第9シードで出場する37歳のビーナス・ウイリアムズ(トロントの大会でのもの)

Photo:TORONTO, ON - AUGUST 10: Venus Williams of the United States hits a shot against Elina Svitolina of Ukraine during Day 6 of the Rogers Cup at Aviva Centre on August 10, 2017 in Toronto, Canada. (Photo by Vaughn Ridley/Getty Images)