マイナーで悪戦苦闘を続けていたコ・ウソク。(C)Getty Images メジャーリーグの競争の激しさを物語る現実と言えるのかもしれない。 現地時間7月12日、マーリンズ傘下に所属する韓国人投手のコ・ウソクは、同球団の2Aチームであ…

マイナーで悪戦苦闘を続けていたコ・ウソク。(C)Getty Images

 メジャーリーグの競争の激しさを物語る現実と言えるのかもしれない。

 現地時間7月12日、マーリンズ傘下に所属する韓国人投手のコ・ウソクは、同球団の2Aチームであるペンサコーラ・ブルーワフーズに降格したと正式に発表された。

【動画】パドレス移籍決定で注目される若き守護神 コ・ウソクの快投シーン

 実績十分で海を渡った。KBO(韓国プロ野球)通算139セーブをマークしたコ・ウソクは、昨オフにポスティングシステムの利用。複数球団による競争の末に2年450万ドル(約6億8000万円)でパドレスと契約した。

 ただ、韓国球界屈指のクローザーは、開幕を前に苦境に立たされる。

 母国で迎えたドジャースとの開幕戦当日(3月20日)に3A降格が決定すると、約1週間後には、もうひとつ下のカテゴリーにあたる2Aに転落。その後、1度もメジャー昇格を果たせぬまま、5月4日に巧打者ルイス・アラエスとの1対4トレードによってマーリンズへ移籍していた。

 マーリンズ移籍直後の5月31日に40人のロースター枠から外れるDFAとなり、路頭に迷う形となったコ・ウソクは、結局マーリンズに残留。マイナーから仕切り直しとなったが、3Aでは16登板で2勝1セーブ、防御率4.29、WHIP1.43と精彩を欠いた。

 必然とも言える2A降格。この現実に韓国でも悲観的な声が広まっている。日刊紙『経済新聞』は、「コ・ウソクの心は折れてしまったのか」と題した記事内で「少なくとも今シーズンは、MLBへの昇格が難しいと見るべきだ」というMLBスカウトのコメントを紹介。「関係者たちの多くは、コ・ウソクがモチベーションを失い、心が折れたと懸念している」と代表右腕の心境を慮った。

 また、日刊紙『朝鮮日報』も「世界中の野球選手にとって『夢の舞台』であるメジャーリーグのマウンドに立つという夢を胸に太平洋を渡った。しかし、メジャーリーグはおろか、トリプルAからダブルAに降格する羽目になった」とコ・ウソクの現況をリポート。1年で国内リーグに舞い戻ったユン・ソクミンのケースを挙げ、「コ・ウソクも1年でメジャーリーグへの夢を折りたたみ、大胆な決断を下すかもしれない」と予測した。

 ますます状況は厳しくなっているコ・ウソク。間違いなくキャリア最大の正念場を迎えている右腕は、いかなる決断を下すだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

【関連記事】母国復帰にも「壁」 1年で“事実上の戦力外”となった韓国最強守護神に米記者は辛辣評価「ポジティブな評価はない」

【関連記事】打高投低が影響? 元広島デビッドソンが韓国で本塁打王争い独走 “望外”のブレイクに地元紙も愕然「日本は外国人が適応しにくい」

【関連記事】虎党を“裏切った”元阪神助っ人の今 ロハスJr.が韓国で評価を高める理由「日本で失敗したから、何とかやってやろうと」