今週は函館競馬場で函館記念(芝2000m)が行われる。比較的涼しい函館だが、それでも気温は25度近くまで上昇する見込み。暑さに対する適性も重要な夏のハンデ重賞だ。 ここでは、過去10年からサヴォーナとホウオウビスケッツにフォーカスしたデータ…

今週は函館競馬場で函館記念(芝2000m)が行われる。比較的涼しい函館だが、それでも気温は25度近くまで上昇する見込み。暑さに対する適性も重要な夏のハンデ重賞だ。

ここでは、過去10年からサヴォーナとホウオウビスケッツにフォーカスしたデータを取り上げる。

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■サヴォーナに「1.0.3.2」のプラスデータ

春は長距離戦線の一線級相手に健闘。ひと息入れられ、始動戦に夏競馬の本レースを選択したのがサヴォーナだ。GIでも大負けしなかった実績は格上と言えるが、2000mを使われるのは約1年半ぶり。期待と不安が入り混じるファン心理に対し、データでは本馬をどう捉えるのか?

・前走GIかつ前年6~8月に勝利実績あり【1.0.3.2】

該当馬6頭中4頭が馬券内。人気馬受難の本レースにあって馬券内率66%は信頼のおける数字と言えそうだ。前走のレース格×夏競馬実績の掛け算で生まれた高好走率データは見逃せない。

2400m以上の距離にこだわったローテーションを歩んできたサヴォーナにとって、距離への適性は最重要課題。それでも1コーナーまでの距離が長い函館芝2000mなら仮に出負けしたとしてもリカバリー可能だし、過去の好走馬にはブローザホーンなどのちの長距離重賞好走馬の名前も。スタミナが問われるレース質を考えたとき、積み重ねた長距離実績はむしろプラスに働く可能性が高いと見た。

■ホウオウビスケッツにのしかかる【0.0.0.8】

その一方で、買い材料に乏しいのがホウオウビスケッツだ。函館芝1800mの前走巴賞は鮮やかな逃げ切り勝ち。その機動力は小回り2000mの本レースで再び発揮される可能性大と言いたいところだが、今回はローテーションに対する不安が浮上する。

・前走巴賞勝ち馬【0.0.0.8】

なんと全頭が馬券外。3番人気内馬4頭が出走したにもかかわらず、好走馬がいない鬼門ローテとなっているのだ。データの上での取捨は“消し”一択と言えよう。

圧巻の前走パフォーマンスから上位人気が想定されるホウオウビスケッツ。だが、波乱傾向にある本レースの性質を踏まえると、そう簡単に逃げ切り勝ちが叶うかと言われれば自信をもってイエスとは言い切れない。ここは慎重な評価を下すべきだ。

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著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家 競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。