熱中症の約4割は夜間・睡眠中に発生しており、寝ている間も冷房を入れておいたほうがいいと言われていますね。ここで気になるのが「電気代」。熱中症になって搬送されるよりは安く済むと分かっていても、電気代高騰の流れもあるため、ふと不安になる人も多い…

熱中症の約4割は夜間・睡眠中に発生しており、寝ている間も冷房を入れておいたほうがいいと言われていますね。

ここで気になるのが「電気代」。

熱中症になって搬送されるよりは安く済むと分かっていても、電気代高騰の流れもあるため、ふと不安になる人も多いでしょう。

一晩中、エアコンをつけた場合、1日あたりどれくらいの電気代になるのか。パナソニック株式会社が出した調査をもとに、睡眠時のエアコン電気代&活用術を見ていきます。

“朝までつけっぱなし”の電気代は約23円

パナソニックエオリアユーザーの利用状況から、夏の20時以降にエアコンを“朝までつけっぱなし”にしたときの消費電力量を検証。

結果、約23円となりました。

1時間あたりの消費電力(冷房時)は平均92Wで、8時間使用した場合は約23円の計算になります。
(電気料金目安単価31円/kWh、エオリア PXシリーズ夜間冷房ログデータより)

昼より夜のほうが消費電力量は少ない

エアコンは外気温と設定温度の差が大きいほど、消費電力量が多くなります。数字は機器や環境により異なりますが、少なくとも夜間は昼間よりは電気代はかかりません。

同じエアコンの設定でも、外気温35℃に比べ、外気温30℃の場合には消費電力が52%ほどと、約半分近くとなることがわかっています。

外気温の低い夜間は、日中に比べて電気代が大きく下がることになります。※1

※1 パナソニック社測定基準による。CS-X403D2、当社環境試験室(14畳)外気温35℃時の平均消費電力302Wと外気温30℃時の平均消費電力157Wとの比較

タイマー運転より、つけっぱなしのほうが中途覚醒が少ない

さらに、「3時間の切タイマー運転」と「つけっぱなし運転」を比べたところ、「つけっぱなし運転」は夜中に目が覚めてしまう回数とその時間が少ないことがわかったそう。※2

夜間は日中に比べて電気代がかからない上に、「つけっぱなし運転」のほうが夜中に目覚めてしまう回数や時間も少ないことから、暑さで寝苦しい時には「冷房つけっぱなし」がよさそうですね。

※2 2021年8月 和洋女子大学 水野 一枝准教授と弊社との共同研究において実施、対象者:健康な一般男女20名(年代20~50)条件:快眠環境運転/一定温度で連続運転/3時間で切タイマーを設定を実施いただき、それぞれの条件間における生理/心理指標の有意差検定を実施

次:エアコンと睡眠のプロが教える熱帯夜の快眠マニュアル

エアコンと睡眠のプロが教える、熱帯夜の快眠マニュアル

パナソニック エアーマイスター兼睡眠改善インストラクター 福田風子さんが、夏の夜のエアコン活用術を解説しています。

エアコンは寝室に入る30分前に入れ、上に向けて風を当てておく

一般的には、室温26~28℃が心地よく眠れる環境だと言われていますが、温度同様に重要なのはエアコンを運転させるタイミング。

ついやりがちな間違いが、布団に入ったタイミングでスイッチを入れること。日中に室内に溜め込んだ熱が、夜になっても天井や壁にこもっているため寝るタイミングでエアコンをつけても、室温が下がるまでに時間がかかることがあります。

寝室に入る30分前にエアコンをONにし、上に向けて風を当てておくのが、効率よく良い睡眠環境を作るコツです。

タイマーは設定せず、設定温度は26℃~28℃に

前述の通り、特に熱帯夜は途中で運転を停止する設定にはせずに、冷えすぎない温度で朝までつけっぱなしにしましょう。

途中で運転を停止してしまうと、その後室温が上がると共に寝苦しくなり途中で目覚めてしまう原因になります。

快適な寝室環境を保つには、冷房モードで設定温度を26~28℃にするか、除湿モードがオススメです。

湿度は60%以下に保つ

睡眠は「深部体温」が深く関係しており、手足から放熱することで深部体温が下がると、眠気が訪れるのですが、室温や湿度が高いと手足からの放熱が妨げられ、深部体温が下がりにくくなるため、寝苦しくなりがちです。

寝室の湿度は60%以下に保つことが重要です。

湿度が高い時はエアコンの温度を下げる、または、エアコンを除湿運転するといった対応をおすすめします。

扇風機との併用使いのすすめ

エアコンの風が苦手な人は、エアコンの温度設定は下げすぎず、扇風機を併用することもおすすめです。

その際は、表面に太い血管の通っている足首あたりに風を当てると深部体温が下がりやすく、眠りに適した環境になります。

【NGポイント】
ただし、風を体の1ヶ所だけに長時間あてつづけるのは体が冷えすぎてしまう可能性があります。扇風機を長時間使う場合には、壁側に向けて跳ね返ってきたやさしい風が足元にあたるように工夫しましょう。

<Edit:編集部>