シナー、5連勝中のメドベデフに敗れ4強入りならず 現地7月9日、「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン)男子シングルス準々決勝が行われ、第1シードのヤニック・シナー(イタリア/世界ランク1位)は、4…

シナー、5連勝中のメドベデフに敗れ4強入りならず
現地7月9日、「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン)男子シングルス準々決勝が行われ、第1シードのヤニック・シナー(イタリア/世界ランク1位)は、4時間の激闘の末に第5シードのダニール・メドベデフ(同5位)に7-6(7)、4-6、6-7(4)、6-2、3-6のフルセットで敗れ、2年連続の4強入りとはならなかった。

【動画】シナー、初めて世界1位で臨んだウィンブルドンは準々決勝敗退 マッチハイライト

ウィンブルドン本戦に4年連続の出場となった22歳のシナーは、今季は「全豪オープン」でグランドスラム初優勝を果たすと、先の「全仏オープン」で準決勝に進み、イタリア人選手として初めて世界の頂点に立った。

前哨戦のATP500ハレでグラスコート初タイトルを手にして昨年4強の今大会を迎え、1回戦でヤニック・ハンフマン(ドイツ/同110位)、2回戦で2021年大会準優勝のマッテオ・ベレッティーニ(イタリア/同59位)、3回戦でミオミール・ケツマノビッチ(セルビア/同52位)、そして4回戦では第14シードのベン・シェルトン(アメリカ/同14位)をストレートで下して3年連続で準々決勝に駒を進めた。

この日の相手となったメドベデフには、2020年の初対戦から6連敗を喫したものの、昨年10月のATP500北京から5連勝中となっている。

試合は、序盤から激しいラリー戦が展開。メドベデフは攻守のメリハリをつけたプレーで主導権を握ろうとするが、シナーも我慢強く攻撃を受け止めて流れに乗らせない。

互いに一歩も譲らずに試合が進み、タイブレークでシナーは5-5の場面で痛恨のダブルフォールトを犯してしまう。だが、メドベデフはセットポイントで力が入ったか、先にミスしてチャンスを生かせない。8-7とシナーのセットポイントで今度はメドベデフにダブルフォールトが出て、緊張感のある第1セットはシナーが7-6(7)で奪った。

この勢いを第2セット以降も続けたいところだったが、メドベデフもコート深くに質の高いストロークを放って、シナーに攻撃を許さない。第2セット第3ゲームでこの日最初のブレークポイントを生かしたメドベデフが、6-4でセットを奪い返す。

第3セットも第3ゲームでメドベデフが先にブレーク。この直後にシナーは体調が良くないのか、メディカル・タイムアウトを取って10分ほどコートを離れた。険しい表情を浮かべながらもプレーを再開したシナーは、第10ゲームでこの試合初めてのブレークに成功して追い上げたが、メドベデフを崩しきることはできず。タイブレークを落として6-7(4)とあとがなくなった。

第3セット終盤からショットの勢いが出てきたシナーは、鋭いストロークだけでなくドロップショットを使ってメドベデフを翻弄。第4セットは0-1から5ゲームを連取し、6-2でセットを奪い返して底力を見せる。

互いの意地と意地がぶつかり合う勝負の最終セット、第4ゲームでブレークを許したシナーは、リターンゲームで簡単にキープさせずに粘ったが、大事な場面でメドベデフの好サーブに阻まれて挽回できず3-6。4時間の激闘もむなしく、世界1位で迎えた初めてのグランドスラムで準決勝に進むことはできなかった。

2年連続で4強入りとなったメドベデフは、準決勝で第3シードのカルロス・アルカラス(スペイン/同3位)と第12シードのトミー・ポール(アメリカ/同13位)の勝者と対戦する。