フリッツが大逆転勝利で2年ぶりのウィンブルドン8強 現地7月8日、「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン)男子シングルス4回戦が行われ、第13シードのテイラー・フリッツ(アメリカ/同12位)は、第4…

フリッツが大逆転勝利で2年ぶりのウィンブルドン8強
現地7月8日、「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン)男子シングルス4回戦が行われ、第13シードのテイラー・フリッツ(アメリカ/同12位)は、第4シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/世界ランク4位)を4-6、6-7(4)、6-4、7-6(3)、6-3の大逆転で下し、同大会2年ぶりの準々決勝進出を決めた。

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26歳のフリッツは、今季「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン)で8強入り。2月のATP250デルレイビーチ、そして今大会前哨戦のATP250イーストボーンでタイトルを獲得。8度目のウィンブルドンを迎えた。

1回戦でクリストファー・オコネル(オーストラリア/同79位)、2回戦でアーサー・リンデルクネシュ(フランス/同76位)、3回戦で第24シードのアレハンドロ・タビロ(チリ/同19位)を下して臨んだ4回戦の相手は、「全仏オープン」(フランス・パリ)で準優勝している同級生のズベレフ。ここまですべてストレートで下しており、中でもサービスゲームの安定感は抜群で、ポイント獲得率は80%超と41ゲーム連続でキープを続けている。

その盤石なサービスゲームにフリッツも苦戦。コースを突いたファーストサーブに加えて、高い打点で捕らえる3球目攻撃でチャンスすら握らせてもらえない。第1セットを4-6で落とすと、第2セットもタイブレークで6-7(4)で2セットダウンとあとがなくなった。

それでもフリッツは一矢報いようと果敢に攻撃。第3セットでは受け身になったズベレフを苦しめ、第9ゲームでブレーク。ズベレフの今大会57度目のサービスゲームで初めてブレークしたフリッツが6-4で奪い返した。

これには会場も盛り上がりを見せ、流れはフリッツに傾く。第4セットも互いにサービスキープが続いたが、タイブレークでフリッツがポイントを先行。リードを守り切って7-6(3)と試合を振り出しに戻すと、最終セットもフリッツが1ポイントへの執念を見せて1ブレーク。3回戦で足を痛めたズベレフは運動量が落ち、最後まで集中力を維持したフリッツが同大会2年ぶりのベスト8入りを果たした。

オンコートインタビューでは、「センターコートの観客の前で、2セットダウンからあのようなプレーができるなんて、本当に夢のようだ」と笑みをこぼしたフリッツ。「あれだけいいプレーをしていて、3セットで負けるなんて最悪だ。 だから、3セット目を取ろうって。負けていたけどその確信はあった。 本当にいいテニスをしていると感じていたし、2、3ポイントの差だと感じていたよ。 1セットずつ取って、逆転できるような気がした」と語った。

グランドスラム初の4強入りをかけて、準々決勝で第25シードのロレンツォ・ムゼッティ(イタリア/同25位)と対戦することとなる。「彼はトリッキーだよ。いいプレーをしているし、クィーンズ(ATP500ロンドン)では決勝に進んだ。僕はノバク(・ジョコビッチ)と2度、ラファ(・ナダル)と1度、グランドスラムで対戦しているから経験はある。それが助けになればいい。でも、いいプレーをしなければならないのはわかっている」とした。