ERC第4戦ラリーエストニア(グラベル)が7月5日〜7日にエストニアのタルトゥで開催され、地元エストニアの若手ゲオルグ・リンナマエ(トヨタGRヤリス・ラリー2)が、最終日のパワーステージでロベルト・ビルベス(シュコダ・ファビアRSラリー2)…

ERC第4戦ラリーエストニア(グラベル)が7月5日〜7日にエストニアのタルトゥで開催され、地元エストニアの若手ゲオルグ・リンナマエ(トヨタGRヤリス・ラリー2)が、最終日のパワーステージでロベルト・ビルベス(シュコダ・ファビアRSラリー2)との9.3秒差を返しての劇的な逆転劇でERC初優勝を飾った。

昨年までWRCイベントとして開催されていたエストニアの高速グラベルステージで、全開バトルを展開してきたリンナマエとビルベス。豪雨と強風で荒れたコンディションとなった最終パワーステージでは、リンナマエがミシュランのソフトコンパウンドタイヤをチョイスした。

リンナマエは、このパワーステージでピレリを履くビルベスに11.5秒先行するタイムをたたき出し、2.2秒差をつけて優勝を勝ち獲った。3位には、ピレリを履くニコライ・グリアジン(シトロエンC3ラリー2)が入った。





「信じられないよ」とリンナマエ。
「自分が持っているすべてを尽くした。パワーステージではクレイジーなほどに攻めて、全部のコーナーで危ない思いをしたと思う。これまでの人生で、一番度胸が必要なステージだった。力尽きたよ。最後のステージを終えて、大きな仕事をやり遂げたと分かったが、タイヤチョイスも良かったと思う。とにかく素晴らしいよ。素晴らしいバトルだったし、ラリーカーに乗ってきた中で一番楽しかった」





リンナマエに1.0秒差をつけてレグ2をスタートしていたビルベスは、最終日の最初の3本中2本でステージウインを奪取し、マージンを広げていた。

「仕方がないね」とビルベス。
「ものすごく攻めたところもあったし、もっと詰められたところもあったが、誰にとってもラクではなかった。驚くような場所に穴があったり何かがあったりしたからね。でも、自分たちはいい走りができた」





大バトルでイベントを盛り上げたリンナマエとビルベスは、7月8日にそれぞれ26歳、24歳の誕生日を迎える。

ミッコ・ヘイッキラは、4番手を走行していたSS12でエンジントラブルによりリタイア。これでマッズ・オストベルグ(シトロエンC3ラリー2)が4位に繰り上がってフィニッシュした。

現ERCチャンピオンのヘイデン・パッドン(ヒョンデi20Nラリー2)とジョン・アームストロング(フォード・フィエスタ・ラリー2)は、序盤に順位を落としていたが、それぞれ5位、6位まで挽回してフィニッシュ。マシュー・フレンチェスキと同率ポイントの選手権首位でこのイベントを迎えていたパッドンは、フランチェスキが今回9位に終わったことで、単独首位に立った。

ミコ・マルチェクは5番手でパワーステージをスタートしたが、スリッパリーなコンディションに苦戦して7位でのフィニッシュ。チームMRFタイヤのアンドレア・マベリーニが8位に入った。

ERC3はロメ・ユルゲンソン、ERC4とジュニアERCはジャスパー・ベハールと、いずれも地元エストニア勢がトップフィニッシュを飾った。

またこのイベントでは、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラム2期生の山本雄紀がトヨタGRヤリス・ラリー2で参戦し、12位でフィニッシュしている。

ERCの次戦、ラリーディローマ・キャピターレ(ターマック)は、7月26日〜28日に開催される。

ERCエストニア 最終結果
1 G.リンナマエ(トヨタGRヤリス・ラリー2) 1:44:33.1
2 R.ビルベス(シュコダ・ファビアRSラリー2) +2.2
3 N.グリアジン(シトロエンC3ラリー2) +1:11.2
4 M.オストベルグ(シトロエンC3ラリー2) +1:23.2
5 H.パッドン(ヒョンデi20Nラリー2) +1:59.2
6 J.アームストロング(フォード・フィエスタ・ラリー2 MkII) +2:20.1
7 M.マルチェク(シュコダ・ファビアRSラリー2) +2:22.2
8 A.マベリーニ(シュコダ・ファビアRSラリー2) +2:48.2