井上に対するアピールを続けているアフマダリエフ。(C)Getty Images、(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext  ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者の牙城を崩さんと、挑…

 

井上に対するアピールを続けているアフマダリエフ。(C)Getty Images、(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext

 

 ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者の牙城を崩さんと、挑戦者が躍起となっている。去る6月13日にボクシング団体「WBA」から9月25日までに井上尚弥(大橋)との指名試合を行うように正式な指示を受けている同団体1位のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)だ。

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 現在、アフマダリエフ陣営の目論見は崩れかけている。彼らはWBAから指示された井上との指名試合を、現地時間9月21日に英・ロンドンのウェンブリー・スタジアムで実施される一大興行に差し込む狙いを持っていた。

 サウジアラビアの総合娯楽局(GEA)議長、トゥルキ・ビン・アブドゥル・モーセン・アル・シャイク氏が後ろ盾になっている同イベントは、元世界ヘビー級2団体統一王者アンソニー・ジョシュア(英国)とIBFヘビー級新王者ダニエル・デュボア(英国)をメインとしたもの。アフマダリエフ陣営は、そのセミカードに井上との試合を差し込む予定だったと複数メディアが報じている。

 ただ、井上側はWBAの指示に困惑。すでに9月開催で交渉を進めていた元IBF世界同級王者のテレンス・ジョン・ドヘニー(アイルランド)との試合を重視する意向を示しており、当人も先月28日に実施された囲み取材で「もうベルトにこだわりはないですからね。それで剝奪されるならそれでもいい」と断言していた。

 王者の“反発”を受け、アフマダリエフ陣営はアピールを続ける。現地時間7月2日、米専門メディア『Boxing Scene』のインタビューに応じた同選手のマネージャーを務めるワディム・コルニーロフ氏は、「アフマダリエフがそんなに逃げられるようなボクサーだとは知らなかったよ」と皮肉を口にし、こう続けている。

「フルトンも無敗の立場を守ろうと、アフマダリエフからは逃げていた。あそこ(ジョシュアとデュボアの興行)で戦うのが、我々にとっては理想的だ。イノウエvsアフマダリエフが大きな国際イベントに組み込まれるのはとても興味深いことだからね。本来ならイノウエはタパレスと戦った後に、ルイス・ネリではなくM.J(アフマダリエフの愛称)と戦うことになっていた」

 嘘か誠か。焦ったように交渉の舞台裏も赤裸々に明かしたコロニーロフ氏は、「今、イノウエは代わりにドヘニーと戦いたいと言っている」と強調。そして、「我々はカネのために、イノウエとの試合を望んでいるわけじゃない。ただ、日本のファンにとって、十分でないと感じるのであれば、イギリスやサウジアラビアで試合をすることもできるはずだ」と異論をぶつけている。

 井上は今後の動静について先述の囲み取材で「ここからの戦いというのは試合の価値と、自分がどういうパフォーマンスをするかにかかってくると思ってます」とも明かしている。こうした言動を見ても、アフマダリエフ戦が9月に実現する可能性は限りなく低そうだが、果たして、どうなるだろうか。

 

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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