今週は、サマー2000シリーズの開幕戦、第60回七夕賞(GIII、芝2000m)が福島競馬場で行われる。今年は、新潟大賞典2着のキングズパレスや、同5着で七夕賞と同じ舞台の福島民報杯を制したリフレーミング、福島民報杯2着のボーンディスウェイ…

今週は、サマー2000シリーズの開幕戦、第60回七夕賞(GIII、芝2000m)が福島競馬場で行われる。

今年は、新潟大賞典2着のキングズパレスや、同5着で七夕賞と同じ舞台の福島民報杯を制したリフレーミング、福島民報杯2着のボーンディスウェイや、福島記念3着の実績があるカレンルシェルブルなど、小回り適性の高いメンバーが集結。重賞勝ちの実績があるノッキングポイント、フェーングロッテンなどの巻き返しにも注目したい。

そんな中、メトロポリタンS2着から臨戦するレッドラディエンスが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。

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■コース巧拙問われ、重賞初挑戦は高いハードル

厩舎期待のディープインパクト産駒レッドラディエンスが5歳の夏を迎えて、ようやく重賞初挑戦までこぎつけた。2歳時からコンスタントに勝ち星を重ねたが、2度の骨折もあって出世が遅れた逸材。今年2月に3勝クラスを勝ち上がり、初のオープン挑戦となった前走のメトロポリタンSでは、逃げ切った勝ち馬には及ばなかったが、上がり最速の末脚で2着を確保するなど、オープンレベルでも十分に戦えることを証明してみせた。

しかし、荒れるハンデ重賞とはいえ、重賞でもまれた経験値が活きてくるのも七夕賞の特徴。過去10年で前走が重賞だった馬が【9.6.4.90】の成績であるのに対し、重賞以外の馬は【1.4.6.30】勝率2.3%と分が悪く、重賞初挑戦で馬券圏内に絡んだのは、2016年3着オリオンザジャパンと、18年3着パワーポケットの2頭のみで、そのハードルはかなり高い。「夏は格より調子」という格言があるが、それに該当しないのが七夕賞だ。

加えて、前走がオープン特別で、かつ東京競馬場だった馬は【0.0.1.8】の成績。唯一3着に好走したオリオンザジャパンは前走がダートのオープン特別。東京コースで芝のオープン特別またはリステッドからの臨戦では、結果が出ておらず、広い東京から小回り福島への転戦はコースへの適応力が問われるかたちとなっている。

また、過去10年の七夕賞勝ち馬10頭は、前走1600~2200mに使われていた馬で、2400m以上からの臨戦では【0.3.2.28】と善戦止まり。2014年ラブリーデイ(2人気6着)や、15年レコンダイト(1人気12着)など、前走が重賞で好走していた馬でも人気を集めて敗れるケースが多く、一気の距離短縮も歓迎できない。

デビュー戦こそ6着に敗れたが、その後10戦はすべて3着以内の安定した成績を誇るレッドラディエンス。福島では3歳時に2着の実績はあるものの、近走は左回りの広いコースで良績を残しており、一気の距離短縮、小回りコースへの適応力など、クリアすべき課題は多い。斤量も重賞で上位に入線しているキングズパレスやカレンルシェルブルらと同じ57キロと、ハンデも見込まれた印象。人気を集めるようなら妙味はないと考え、今回は思い切って「消し」でいってみたい。

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◆著者プロフィール

石川豊●いしかわゆたか 20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。