◇米国女子◇ダウ選手権 2日目(28日)◇ミッドランドCC(ミシガン州)◇6256yd(パー70) 池越えの前半18番(パー3)、渋野日向子と勝みなみのペアはティショットを打つ順番を入れ替えた。ペアのそれぞれがプレーしてホールごとに良い…

勝みなみ(左)と渋野日向子が乾杯!(Dylan Buell Getty Images)

◇米国女子◇ダウ選手権 2日目(28日)◇ミッドランドCC(ミシガン州)◇6256yd(パー70)

池越えの前半18番(パー3)、渋野日向子勝みなみのペアはティショットを打つ順番を入れ替えた。ペアのそれぞれがプレーしてホールごとに良い方のスコアを採用するフォアボール方式。それまで渋野の後に打っていた勝が先にグリーンに乗せた。

勝は「私があんまりショートホールのイメージが湧かないので、先に打って風を見てもらおうと思った」と明かす。2人の比較でパー3を得意とする渋野に迷いをなくして打ってもらうプラン。「そしたら…入っちゃった」。実測143yd、8Iを握ったショットは奥からスピンバックしてキレイに吸い込まれた。

米ツアーでは韓国開催の2022年「BMW選手権」最終日以来2度目のホールインワン。決めた渋野も「マジでありがとう、気楽に『8』で打てました。これ、作戦ハマってるでしょ!」と相棒に感謝する。

ギャラリーとハイタッチしながら熱狂の18番グリーンへ

1オーバースタートから出だし3ホールで2バーディを先行。それでも、伸ばし合いでカットラインはどんどん上がっていく中でお互いにバーディパットを決めきれない展開が続いていた。ギャラリーも大興奮のハイタッチを求める一撃で勢いに乗ると、折り返して1番から3連続バーディと止まらない。

タフな4番(パー3)では、勝がグリーンを大きく外し、誰もがこのホールを渋野のスコアに託すと思った絶望的な状況からスーパーリカバリー。奥にある池の手前の茂みからピンまで7mほどに乗せた。渋野も「(普通なら)確実に打たないところ。乗ったことすら奇跡。ヤバかった」と鳥肌モノだったプレーの直後、パーパットまで沈めてみせたから、1イーグル7バーディ「61」と伸ばしきることができた。

力を合わせて「61」で週末へ

2人で力を合わせ、「メッチャクチャ楽しくて最高だった。これで(予選を)落ちたら、もうええわ。やり切った」とうなずく会心のプレーでたぐり寄せた週末。通算8アンダー22位でも、首位とは4ストロークしか離れていない。

3日目は初日に続いてペアが1つのボールを交互に打つフォアサム方式だが、ひとつ“問題”も…。勝が偶数ホール、渋野が奇数ホールのティショットを担当する初日のままなら、渋野がエースを達成した18番は勝の受け持ちになる。

「(夕食の)カレーを食べながら作戦会議して、ダンスの練習もしないと」。土曜日の18番では各ペアの選んだ“入場曲”が流れる演出も待っている。同じレンタルハウスに帰って、ムービングサタデーの戦略も、「マツケンサンバ2」の振り付けも完ぺきに仕上げるつもりだ。(ミシガン州ミッドランド/亀山泰宏)