奥川恭伸が本拠地・神宮球場のマウンドに帰ってくる(C)産経新聞社  ヤクルトの奥川恭伸が6月29日、神宮球場のマウンドに帰ってくる。2022年3月29日の巨人戦以来、2年3か月ぶりとなる本拠地での先発登板。阪神打線を相…

 

奥川恭伸が本拠地・神宮球場のマウンドに帰ってくる(C)産経新聞社

 

 ヤクルトの奥川恭伸が6月29日、神宮球場のマウンドに帰ってくる。2022年3月29日の巨人戦以来、2年3か月ぶりとなる本拠地での先発登板。阪神打線を相手にどんな投球を見せてくれるのか楽しみだ。

 奥川は6月14日のオリックスとの交流戦(京セラ)で980日ぶりの復活勝利を挙げ、試合後のヒーローインタビューでは大きな歓声を浴びた。

【動画】奥川恭伸がケガを乗り越えて復活の1軍マウンド!5回を投げ切る

 

「ファンの皆さんにたくさん期待してもらっている中で、すごく長い時間、待たせてしまったので、今日、勝つことができて嬉しい気持ちです」

 右肘痛など多くのケガを抱え、苦しいリハビリなども経てたどり着いた勝利。「2年という期間の中で…」と振り返ると、涙をこらえ切れなかった。

 前回登板は5回79球を投げて7安打1失点という内容だったが、「前回の反省を生かして、投球のメカニックスの部分とか、前回よりもいい内容にしたい」と話し、「チームが勝てるように一生懸命投げたい」と、チームの勝利へ向けて意気込みを語った。

 奥川はプロ2年目の2021年に9勝を挙げて、リーグ優勝と日本一に貢献。髙津臣吾監督は当時「間違いなくエースに育てなければいけないし、間違いなくエースになってもらわなければ困るのが奥川だと思っています」と、大きな期待を寄せていた。

 奥川自身も「エースと呼ばれる存在になりたい」と口にし、周囲の期待を背に前へと進んでいた。2年間は険しい道のりだったが、その間に背番号も「11」から「18」へと変わり、今季、完全復活への扉がようやく開けた。

 チームはリーグ戦再開後に2連勝と好スタートを切ったが、その後は4連敗を喫して、現在リーグ最下位に沈む。再び勢いを取り戻すため、チームが苦しい時こそ輝きを放つのが、エースと呼ばれる投手だ。

 故障明けの右腕に過度な期待をしてはいけないかもしれないが、それだけの魅力と実力を兼ね備えた投手であることは間違いない。まだ23歳。本拠地のファンの大声援を力に変え、再びエースへの道を突き進む。

 

[文:別府勉]

 

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