参戦2戦目の新鋭が衝撃の90秒KO。対戦相手の顔面が衝撃で仰け反る強烈な右を撃ち抜いて最初のダウンを奪うと、追撃の左フックで相手の動きが一瞬停止。直後、時間差で崩れ落ちる衝撃KOを受け元日本ボクシング王者が「生物的なもの(差)があった」と…

 参戦2戦目の新鋭が衝撃の90秒KO。対戦相手の顔面が衝撃で仰け反る強烈な右を撃ち抜いて最初のダウンを奪うと、追撃の左フックで相手の動きが一瞬停止。直後、時間差で崩れ落ちる衝撃KOを受け元日本ボクシング王者が「生物的なもの(差)があった」と独特な言い回しで勝者の圧の強さ、攻撃力の高さに舌を巻いた。

【映像】左フックで衝撃KO

 6月23日に後楽園ホールで開催された「Krush.162」。林佑哉(K-1ジム大宮チームレオン)と白幡太陽(FLYSKY GYM/Tmile Gym)の対戦は、1ラウンドわずか90秒決着。林が2つのダウンを立て続けに奪い白幡をノックアウトした。今年1月のKrushデビューに続き2戦目でも圧倒的な強さを発揮。7月に開催予定のバンタム級トーナメントへの出場に向けて猛アピールした。

 今年Krushデビューを果たした林はこれが2戦目。対する白幡は2022年のデビュー戦こそ勝利したものの、その後は2連敗中で、仕切り直しの4戦目となる。

 ゴングとともにローを蹴りながら距離を縮める林に白幡がローで応戦。しかし、よりアグレッシブに攻め立てる林の圧に白幡がじわじわと後退を余儀なくされる。白幡も反撃を試みるが、林がテンポ良いパンチで対応。林の強烈な右が白幡の顔面を捉えると、頭が後方へ弾けるように仰け反る場面も。さらにロープ際に追い込まれた白幡は、コンパクトな林のストレートの連打を浴びて前のめりに最初のダウンを奪われる。

 林の小気味よくスピーディーかつ、確実にダメージを与える連続攻撃によってダメージが蓄積して足元がおぼつかない白幡。カウント8までゆっくり聞き回復を試みて試合に復帰したが、林が猛攻。最後は左フックを叩き込まれた白幡の動きが一瞬フリーズ。直後、ロープにもたれるように崩れ落ちるとレフェリーが即座にゴングを要求した。

 解説の石川直生は「白幡選手はボクシング技術が非常に高い。その選手に全く何もさせないで倒しきったのは凄いこと」と絶賛。この日のゲスト解説で元ボクシング日本スーパーライト級王者の細川バレンタインは「見た感じ(両選手のスタイルは)同じように見えるが(林が)相手を下げさせたことは雰囲気で伝わる。生物的なもの(差)があった」と、対峙したときのファイターとして圧力の差があったと指摘した。
 
 試合後の林は、先ほどまでの殺気はいずこ…慣れないマイクながら7月のバンタム級トーナメントへのエントリーを直訴した。この日の見事な勝ちっぷりを目の当たりにした石川は”当確”とも取れる「言えるだけの結果を見せてくれました。楽しみです」とのコメントで林の今後に期待を寄せた。