これから、暑くなっていく季節。昨今は毎年のように猛暑が襲い、体調管理に気を配っている人も多いと思います。 でも、食事にかなり気を使っているにもかかわらず、体調を崩してしまいがち、ということも多いのでは。 そんな方には、これから紹介する薬膳…
これから、暑くなっていく季節。昨今は毎年のように猛暑が襲い、体調管理に気を配っている人も多いと思います。
でも、食事にかなり気を使っているにもかかわらず、体調を崩してしまいがち、ということも多いのでは。
そんな方には、これから紹介する薬膳酵素ごはんをお薦めしています。
薬膳とは東洋医学的考えかたに基づき、体調のバランスをととえるための料理です。それに、現代人に見られがちな消化能力の低下に配慮した最新酵素栄養学を取り入れたのが薬膳酵素ごはんです。
言葉だけでみるとちょっと難しそうですが、実はすべてスーパーなどどこでも買える食材で簡単に作れるレシピです。
薬膳がなぜ体調のバランスをととのえるのでしょうか。それはその季節に合った食材を使用するからです。暑い季節、寒い季節など季節によって人の代謝能力は変わり、必要な食材も変化することが様々な研究から証明されています。
しかし、現代は一年中トマトが手に入ったり、キュウリが手に入ったりして、旬の食材を食べるという考え方が薄れています。健康に良いからということで、年中トマトを食べたりしているわけです。
しかし自然とはよくできているもので、旬の食材にはその季節に必要な栄養素が含まれているのです。
たとえば、春には、緑の葉野菜がたくさん出てきますが、これらにはビタミンAやDなど、冬に間にかさついた皮膚や粘膜を潤す成分を多く含んでいるものがよくみられます。これらのデータからわかるように、東洋医学的な効果は最新の栄養学的にも証明されています。
夏野菜のトマトやキュウリ、これらには体を冷やす効果があります。夏に食べるスイカも同様。
このように旬の食材を意識した薬膳をとることで自然と季節の変化による体調不良を予防できるわけです。
そして、酵素栄養学とは何でしょうか? せっかく旬の食材を選んでもうまく消化吸収できなければ意味がありません。消化や吸収、代謝に必要な酵素を考慮した栄養学、これを酵素栄養学といいます。この考え方を薬膳に取り入れました。
野菜や果物には食物酵素というものが含まれていて、うまく消化を助けてくれます。しかし食べものに含まれる食物酵素は加熱に弱いのです。そこで、生で食べられるものは生で食べられるようレシピを工夫しました。食物酵素を効果的に食べることによって代謝機能が高まり、病気の予防や解毒作用の向上につながります。
それでは、これから迎える暑い夏にはなにを食べたらよいのでしょうか? 7月の薬膳酵素レシピをご紹介します。
薬膳酵素ごはん。7月のおすすめレシピ
7月のおすすめ食材はアジ、砂肝、トマト、ピーマン、レタス、浅漬けなど。これらを使ったおすすめレシピ
主菜 揚げない米粉アジフライ
副菜 ゴーヤときゅうりの浅漬け
ピーマンと昆布の浅漬け
すなずりのマリネ
汁物 アジのつみれ汁
デザート スイカのミントティーパンチ
主菜:揚げない米粉アジフライ
揚げない米粉アジフライ
【材料2人分】
アジ2匹の切身(1匹約150gを3枚おろし)
塩3g
玉ねぎ、ズッキーニ、ピーマン、カボチャ それぞれ50g(薄くスライス)
パン粉(できれば米粉製がよいです)20g
ニンニク 1/2個(薄くスライス)
玄米オイル20g
【作り方】
①アジの表面に塩まんべんなくふり、耐熱容器に野菜を敷き、玄米オイル10gをかけて、ひとつまみの塩をふる。
②野菜の上にアジを置き、残りの玄米オイルをまんべんなく塗った上にパン粉を重ね置く。魚焼きグリルやトースターならば中火で10分、オーブンであれば220℃で10~12分焼く。
③焼いている間にアジの水分を野菜が吸い、野菜の風味が増す。
副菜①:ゴーヤときゅうりの浅漬け
ゴーヤときゅうりの浅漬け
【材料2人分】
ゴーヤ200g(1本 種とワタを取り除くと150g)
キュウリ170g(1本)
パプリカ 20g
塩6g
【作り方】
①どのお野菜も薄くスライスする。ゴーヤの苦さが苦手な場合は熱湯に15秒さらす。
②全ての材料を一つのボールに入れて、塩を加えてしっかりと揉み混ぜる。(1時間置く。急いでいるときは30分でも可)
副菜②:ピーマンと昆布の浅漬け
ピーマンと昆布の浅漬け
【材料2人分】
ピーマン100g(種を取り除く)
昆布 (3×3cm)水で戻してハサミで千切り
白醤油 4g
白ゴマ 適宜
【作り方】
①ピーマンを千切りし、沸騰したお湯で15秒湯通しし、よく湯を切る。
②昆布と白醤油を混ぜて、白ゴマをふる。
副菜③:すなずりのマリネ
すなずりのマリネ
【材料2人分】
すなずり230g(5mmスライス)
塩3g
キュウリ80g
万願寺とうがらし50g
ワカメ30g
オクラ1本
紫蘇 好み
カボス果汁30g
白醤油5g
【作り方】
①すなずりをスライスし、よく水で洗い、水分をよく拭き取ってからを塩揉みする。
②鍋にすなずりを入れて、水をひたひたになるぐらいに入れて中火にかける。
③沸騰する直前に裏返しにし、再び沸騰したらすぐに火を止めて、蓋をして余熱で火を通すと柔らかさもコリコリの独特の食感も残る。
④手で触れる温度になったら湯をよく切り、薄くスライスした野菜と調味料とすなずりを軽くかき混ぜる。
汁物:アジのつみれ汁
汁物 アジのつみれ汁
【材料2人分】
アジ150gミンチ(包丁で叩くか、フードプロセッサーで荒めのミンチにする)
味噌30g
片栗粉5g
空芯菜や小ネギ 適宜
水400g
【作り方】
①アジのミンチと味噌半量と片栗粉をしっかり混ぜる。
②分量の水を沸騰させた中に空芯菜を入れて、再び沸騰したら、アジのミンチを食べやすい大きさのお団子にして加える。
③ミンチに火が通ったら残りの味噌を加える。
④好みで小ネギや茗荷などを添える。
デザート:スイカと蓮の実のミントティーパンチ
デザート:スイカと蓮の実のミントティーパンチ
【材料2人分】
ミントティー(ドライ)6g
熱湯200g
氷200g
蓮の実10個(あれば。蓮の実は3回煮こぼし、4回目は沸騰したら弱火にして20分茹でる)
スイカ200g(食べやすい大きさに切る)
生ハチミツ 適宜
【作り方】
①ミントティーを熱湯200gに入れて3分蒸らす。茶を漉して氷を加えてすぐに冷やすと味が濁らない。
②スイカと蓮の実を器に入れて、冷えたミントティーを注ぐ。
③好みで生ハチミツをかける。
いかがでしょうか?
これらはあくまで1例です。このレシピに使われている食材を使って色々な料理に挑戦してみるのも面白いですよ。
[文:内山葉子]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
<この記事を書いた人>医学博士 内山葉子
関西医科大学卒業。大学病院・総合病院で腎臓内科・循環器・内分泌を専門に臨床・研究を行った後、福岡県北九州市で葉子クリニックを開設、院長を務める。医学博士、総合内科専門医、腎臓内科専門医。全人的な医療に基づき、自然医療や漢方・機能性食品などの補完・代替医療と西洋医学、心のケアなどを統合的に行い、さまざまな分野の難治性の疾患の診療を行う。著書に『デジタル毒』『免疫力をととのえる薬膳酵素ごはん』『改訂増補版おなかのカビが病気の原因だった』(ユサブル刊)などがある。