鹿島アントラーズは埼玉スタジアム2002で浦和レッズと2−2で引き分けた。ポポヴィッチ監督も「前半の出来は非常に良かっ…

 鹿島アントラーズは埼玉スタジアム2002で浦和レッズと2−2で引き分けた。ポポヴィッチ監督も「前半の出来は非常に良かったと思いますし、私も日本に長くいますが、質の高い、賢さ、したたかさを見せた前半だった」と振り返る内容で、幸先よく2点のリードを奪ったが、終盤に投入された武田英寿の2得点で追い付いかれて、最後はあわや逆転という状況を招いてしまったことは良くも悪くも現在の鹿島を象徴しているかもしれない。

 それでも前半戦の折り返しで、首位と勝ち点2差の2位。ポポヴィッチ監督の1年目としては上々の滑り出しで、悲願のリーグ優勝も十分に狙って行ける位置にいる。

 その鹿島を力強く支えるのがGK早川友基、センターバックの植田直通関川郁万、サイドバックの濃野公人と安西幸輝、ボランチの佐野海舟Jリーグの”デュエル王”知念慶、そして前線に君臨する鈴木優磨。この8人はほぼ固定で起用されており、安定したパフォーマンスのベースになっている。

■10試合続けてスタメン

 その一方で4ー2ー3ー1の2列目は個性的なタレントが充実しており、誰がスタメンで出ても、試合中にポポヴィッチ監督が必ずと言っていいほど交代カードを切っていくセクションになっている。ただ、その中で右の師岡柊生が8試合、トップ下の名古新太郎と左サイドハーフの仲間隼斗が10試合続けてスタメンで使われているのには明確な理由があるだろう。しっかりと前から守備のスイッチをかけながら、ボールを奪ったら素早く縦に運んで仕留め切る。

 そうした高強度のスタイルで、コンパクトなハイラインの守備と素早いトランジションをしっかりとこなせるセットであることだ。彼らの良さが顕著に出たのが、浦和戦の先制点につながるシーンだった。浦和の右からのビルドアップに対して、FWの鈴木と左サイドの仲間でプレッシャーをかけて、二人の狭間からオラ・ソルバッケンに出た縦パスを関川が潰しに行く。

 セカンドボールを安西がヘッドで前に折り返し、鈴木がショルツを背負いながら中央に出したボールを名古がワンタッチで前に照り出す。そこに連動した師岡が、浦和の左センターバックであるマリウス・ホイブラーテンと左サイドバックの渡邊凌磨の間で受けて、そのままドリブルで突破すると、右ワイドからシュートを打ち込む。GK西川周作に弾かれたが、外にこぼれたボールを鈴木が押し込んだ。

■2列目の3人がキーファクター

 記録にならない“事実上のアシスト”となる仕事をした師岡は「いい形で抜けられて、それでタッチはちょっと外にいっちゃったんですけど、優磨くんが見えてたので。ニアよりはファー打った方が、こぼれ球で点につながればいいかなという感じがあったので。それが点につながって良かったです」と振り返った。

 良い守備でボールを奪ったところから、素早い攻撃で仕留め切る形だ。師岡は「渡邊凌磨選手がけっこう高い位置を取ってくるので。そこでスペースが結構空くと思っていた」と分析するが、安西から鈴木、名古と繋いで、縦に出てくるような形は「練習からそれを意識してやっているところがある」と認める。

 そういう意味でも、2列目の3人がキーファクターになった先制点だった。

(取材・文/河治良幸)

(後編へ続く)

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