100円(100均)ショップ(ダイソー、Can☆Do/キャンドゥ、Seria/セリアなど)で売られているトレーニング・健康グッズについて、前回はその良し悪しを、execo代表でパーソナルトレーナーとして活躍する大和田聡さんに伺いました。 …

 100円(100均)ショップ(ダイソー、Can☆Do/キャンドゥ、Seria/セリアなど)で売られているトレーニング・健康グッズについて、前回はその良し悪しを、execo代表でパーソナルトレーナーとして活躍する大和田聡さんに伺いました。

 大和田さんによると、どうやら安価な商品であっても、正しく使ってトレーニングをすれば成果を上げることができそうとのこと。ただ、詳しい説明書などが入っていない製品もあったので、後編では具体的なエクササイズについて教えてもらいました。

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エクササイズバンド

 まずはゴムでできた「エクササイズバンド」から。この伸びる性質を使って、肩や胸の筋肉を鍛えるエクササイズができるそうです。

「単純に両端を持ってゆっくり伸ばしていく。これだけでも効果的ですね」(大和田さん)

 続いて、足回りのエクササイズを2種類教えてもらいました。これらのポイントは、ゴムをゆっくりと伸ばすことだそうです。

「バンドの両端を結び、太もものあたりに巻いて中腰になれば、股関節のエクササイズになります。さらに、仰向けになり、足と手でバンドを引っ張るのも効果的です。足にゴムバンドをひっかけて、この動作をゆっくりと実施することがポイントで、背骨の1つ1つを動かすような意識を持って上体を起こしていけば、腹筋にも効果があります」(大和田さん)

リストウェイト

 手首に巻くだけでどんな効果があるのかと、素人の筆者にとっては疑問だった「リストウェイト」。大和田さんによると、「肩の可動範囲を広げるストレッチなどにも使えます」とのことでした。

 手順としては、まずリストウェイトを手首に巻き、横向きに寝て、手を「前にならえ」のポーズのように前に伸ばします。この状態から、腕を体の側面で円を描くように、ゆっくりと背中の方に開いていきます。これによって、肩の関節まわりと胸の筋肉に、ストレッチ効果が期待できるそうです

「リストウェイトを付けていないときよりも、負荷があるぶん、より動く範囲が広がっているのが感じられると思います」(大和田さん)

 さらに、肩の可動範囲を広げるストレッチを、もう1つ紹介していただきました。今度は仰向けになり、手を下します。この状態からまっすぐに腕を伸ばしたまま、体の前で円を描くように、手を頭上へ持っていってください。

 大和田さんによると「こちらも肩の関節まわりと胸の筋肉に効果があります」とのこと。四十肩、五十肩に悩まされている方は、続けてみるとよいでしょう。

次ページ:8字型のチューブ「エクササイズストレッチャー」を使ったエクササイズ

エクササイズストレッチャー

 今度は8字型のチューブ「エクササイズストレッチャー」を使ったエクササイズ。大和田さんが目を付けたのは、8の字の輪の部分。

「ここに足が通せるので、それを利用しましょう」ということで、横向きになって、実際に試していただきました。この状態から両足で「エクササイズストレッチャー」を引っ張ると効果的なのだそう。おしりの横の筋肉を鍛えることができ、シェイプアップはもちろん、下半身の動作やバランスがよくなるなどの効果が見込めるようです。

 もう1つは「エクササイズストレッチャー」を背中でつかみ、それを引っ張るというエクササイズ。これにより肩の可動域を広げ、腕の筋肉を鍛えることができるのだとか。背中で手が結べない人は、これを続けることで、互いの手がさらに近づくことが期待できるらしいです!

ストレッチゴム

 「ストレッチゴム」は縮もうとする力に優れているそうで、それを利用したエクササイズを教えてもらいました。

「胸の前で伸ばしたまま、テンションをキープしているだけで、腹筋に力が入っているのを意識できると思います。さらに体幹を鍛えることもできますが、このままスクワットをしたり、片足立ちをすると、より効果的ですね」(大和田さん)

 続いては足首の柔軟性を鍛えるエクササイズを。足の親指と人差し指で「ストレッチゴム」の一端をはさむように持ち、もう一端を手でひっぱるように持ちます。

「この状態で指を前に折り曲げるように、足首を動かしてください。足首のストレッチとして効果があると思います」(大和田さん)

 実は現代人には足首が固い人が多く、その柔軟性は日常生活においても意外と重要なのだそう。足首の柔軟性を鍛えることで、不用意に転んでケガをするといったことが減るようです。

次ページ:「ハンドグリップボール」を使ったエクササイズ

ハンドグリップボール

 ハンドグリップボールは「意外としっかりとした弾力がありますね」ということで、まずはオーソドックスに手で握るエクササイズ。握り込む動作を繰り返します。このとき、腕の筋肉が動いていることを意識すると良いのだとか。

 続いては、足でグリップするエクササイズも。人間は歩くときに足の親指と人差し指で地面をグリップしながら歩いており、「その力を高めることは重要」なのだそう。ここで行うエクササイズは、足の指を開いてボールをグリップする……。それだけなのですが、挑戦してみると意外と難しいです。

「グリップ力が高まり、足の指が開くようになるというのがポイントです。特に女性の方はハイヒールなどで歩くと、歩いているときに足の指が広がらず、外反母趾になることがありますが、その防止にもなるのではないでしょうか」(大和田さん)

グッズはトレーニングの補助的に利用するのが理想

 今回は5つの100円グッズを使い、いろいろなエクササイズを紹介してもらいました。なお、これらを実際に行うにあたって、大和田さんから一つ注意事項があります。

「エクササイズは“無理をしない”ことが大切です。へんな痛みが出たらすぐに止めるべきですし、あまり激しくやり過ぎないように。安全第一で取り組んでほしいです」(大和田さん)

 なるほど、ゲガをしては何の意味もありません。これはグッズを使った場合だけでなく、エクササイズを行うとき全般に言えることのようです。さらに「理想を言うのであれば、専門知識のある方に見てもらった方がいいです」とのことでした。

「まずはジムでトレーナーさんに付いてトレーニングをすることをオススメします。その上で、今回試したようなグッズを使ってトレーニングをするのが、最も効果的ではないでしょうか」(大和田さん)

 今回、大和田さんに教わったエクササイズは、素人には思いもよらないものも多く、驚きの連続でした。まずは専門家にきちんと指導をしてもらい、トレーニングを続ける上での補助としてグッズを活用するというのが理想かもしれません。

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[プロフィール]
大和田聡(おおわだ・さとし)
株式会社execo代表。企業へのフィットネスのコンサルティングやマネージメント、ソフトやコンテンツの制作など、“フィットネスで世界をECOに”を企業理念に掲げ、さまざまな取り組みをしている。パーソナルトレーナーとしても活躍中。延べ8000人以上のトレーニングをサポート、さらに、雑誌やメディアの監修なども手がけている。トレーニングジム「キュアフィット」を共同運営。

・キュアフィット(撮影協力)
東京都新宿区新宿2-19-9新宿角ビル9F
年中無休(11:00~21:00)
http://www.curefit.jp/index.html

<Text : 竹内伸一(H14)/Photo:竹内けい子>