メキシコで牙を研ぎ続けるバウアー。しかし、メジャーリーグ復帰に向けた道筋は見えていない。(C)Getty Images …

メキシコで牙を研ぎ続けるバウアー。しかし、メジャーリーグ復帰に向けた道筋は見えていない。(C)Getty Images
日本球界で異彩を放った助っ人投手は“太陽の国”でも違いを見せつけている。現在メキシコ・リーグのメキシコシティー・レッドデビルズに所属するトレバー・バウアーだ。
【動画】メキシコの強打者たちをねじ伏せる快投 バウアーの19奪三振
まさに快投を続けている。現地時間6月21日に行われたオアハカ・ウォーリアーズ戦では、8回2/3で実に127球を投げ、1失点の熱投で、国内リーグ記録となる1試合19奪三振を記録。無傷の9勝目を挙げ、防御率も1.56とした。
ちなみにメキシコ・リーグは“超”がつくほど「打高投低」として知られている。実際、今季も規定打席数をクリアしている打者でOPSが1.000を超えているのは16人も存在。日本が0人、メジャーでも2人という現状を見れば、より打者が際立った環境なのかが分かるだろう。その中でバウアーは防御率が唯一の1点台、WHIPも0.98と無双状態なのである。
明らかに他国とは一線を画す環境に身を置くバウアー。とはいえ、図抜けた成績を見ても、2020年にメジャーリーグでサイ・ヤング賞を手にした実績は錆びついてはいないと言えよう。
だが、依然として本人の望んでいるメジャーリーグ復帰の道は険しい。今春には「最低年俸でも構わない」と契約をアピールしたが、現時点で交渉は遅々として進んでいない。21年にMLBから324試合の長期の出場停止処分(その後、処分は194試合に短縮)を課された知人女性への暴行容疑(※現在は和解済み)など素行不良のレッテルはいまだ剥がれていないのである。
もっとも、バウアーの獲得を米球界に投げかけるレジェンドもいる。かつてヤンキースなどで活躍した怪腕デビッド・ウェルズ氏は、米放送局『FOX News』に対して「私は彼に二度目のチャンスが与えられるべきだと願っているが、どの球団も恐れているんだと思う」と持論を展開。“リスク”を取ろうとしない母国球界に疑問を呈している。
「彼はとんでもない投手だったじゃないか。私はチームに入るべきだと思う。過去にも過ちを犯した選手はいた。だが、彼らには2度目、3度目、多い時には4度目もチャンスが与えられたんだ。それなのになぜバウアーにはチャンスを与えようとしないんだ? もしも、私がどこかのオーナーだとしよう。そうしたら、この男の才能があると判断したうえで、チームの邪魔にならず、登板してくれると確約させて、チャンスを与える」
そう再起の可能性を説くウェルズ氏はさらにヤンキースやレッドソックスなど9球団を渡り歩いた現役時代の経験を踏まえ、「スポーツ界は悪意ある人たちから頻繁に攻撃される。誰であろうと、アスリートは標的になるんだ」とも吐露。プライベートの問題が一方的に語られるバウアーの現状を慮ってもいる。
お世辞にも「最高の環境」とは言い難いメキシコで牙を研ぎ続けるバウアー。果たして、彼にメジャーから“待望のオファー”は舞い込むだろうか。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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