バスケットボールの女子日本代表(世界ランキング9位)は21日、北海道・北海きたえーるでオーストラリア(同3位)との国際強化試合第2戦を行い、95―87で2連勝した。主将の林がチーム最多の19得点。22、23日は男子日本代表がオーストラリア…

 バスケットボールの女子日本代表(世界ランキング9位)は21日、北海道・北海きたえーるでオーストラリア(同3位)との国際強化試合第2戦を行い、95―87で2連勝した。主将の林がチーム最多の19得点。22、23日は男子日本代表がオーストラリアと対戦する。

 遅れてきた主役候補の一人かもしれない。

 史上初の銀メダルを獲得した東京五輪のチームの主軸だった31歳の宮沢夕貴がこの日、光を放った。わずか7分33秒の出場で12得点。「打ち切ろう」と割り切って3本の3点シュートを決めて、日本の2連勝を引き寄せた。

 出場12カ国中9位に終わった2022年のワールドカップ。宮沢は5試合で2点しか挙げられず、それから代表に呼ばれなくなった。パリ五輪はないと諦め、オフに旅行の予定を立てていた。

 しかし、主将として富士通をWリーグ優勝に導く活躍を見せると、この春、約2年ぶりに代表合宿に招集された。

 183センチのパワーフォワード。ゴール下の肉弾戦だけでなく、内外角からシュートを打てる器用さを持ち合わせる。「他の人より勝っているのは3点シュート。そこは決めたい」。言葉通り、生き残りをかけた一戦で、存在意義を示した。

 本人にはまだ、今のチームの約束事が体に染みついていないという実感がある。ただ焦りはない。「このチームでの自分の立場は理解しているから、変なプライドはまったくない。思い切りやるだけ」。限られた出場機会も、主軸ではない役割も受け入れる覚悟だ。

 恩塚亨ヘッドコーチが掲げる「走り勝つシューター軍団」というコンセプトに当てはまる。同じ富士通の町田瑠唯とともに、頼りになるベテランたちがハマれば、チーム力はもう一段高まる。(野村周平)