第65回宝塚記念(16日/GI、京都芝2200m)には、春秋グランプリ制覇を目指すドウデュース、春の盾を制したジャスティンパレス、大阪杯勝ちのベラジオオペラらが出走予定。

本記事では、出走各馬の追い切りを診断し「S」「A」「B」の3段階で評価した有力馬や穴馬をピックアップ。ここでは「ドウデュース」を取り上げる。

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■ドウデュース

【中間調整】3歳春に日本ダービーを制覇。昨年の4歳シーズンはドバイターフ取り消し、国内復帰戦の天皇賞・秋で7着大敗など苦難の時期が続いたが、オーラス有馬記念で見事な復活Vを果たし3つ目のGIタイトルを手にした国内最強馬だ。今季は昨年同様ドバイターフに挑み、まともに前が塞がる不利がありながら0秒3差5着と健闘。昨年は秋まで大きく休んだが、今回はダメージが少なく4月上旬の時点で宝塚記念へ進むことが陣営サイドから表明された。

帰国検疫、ノーザンファームしがらきでの休養を経て5月17日に栗東へ帰厩。プール調整でじっくりケアされたのち、24日に初時計として坂路15-15をこなす。30日の時点でCW5F66秒8-1F11秒2(強め)と速い時計をマーク、2週前追いで3頭併せで楽に最先着と調整は順調そのものだ。そして、武豊騎手が騎乗した1週前追いはCWで2頭を追走する3頭併せを敢行。大きく先行させた2頭をジワッと追い詰めると、直線序盤であっさり抜き去り先頭へ。そこから気を抜かさないよう、鞍上は適度に気合いを入れると馬もしっかり応えラスト1F10秒8(強め)を計時。6F全体79秒8という圧巻のデモンストレーションだった。16日の日曜追いでも末をしっかり伸ばし、楽な手応えでCW1F10秒9をマークしている。

【最終追い切り】日曜までに負荷は十二分に掛かっており、レース当週は足慣らし程度でOK。芝コースで3歳未勝利を追走し、折り合いに専念させた。相手に並び掛けてから逆手前のままでの併走となったが、オーバーワークを割けてのものでまったく問題なし。素軽さを保ち、相手に合わせるようにして併入とした。

【見解】常に動くタイプの馬ではあるが、この中間の迫力は際立ったものがある。現状の栗東CWはある程度時計が出やすいコンデイションとはいえ、中間初めてしっかり時計を出した5月30日の時点でCWラスト1F11秒2。以降は10秒台を当たり前のように連発できており、馬自身の充実ぶりは目覚ましい。帰国初戦、初の京都と懸念材料が立ちはだかるが、それを大きく凌駕する圧倒的な攻め気配。ファン投票に応える走りに期待していいだろう。

総合評価「S」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう) 【重賞深掘りプロジェクト】調教ライター。競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。