町田ゼルビア、鹿島アントラーズ、ガンバ大阪ら上位陣との差をじわじわと広げられているサンフレッチェ広島。 ただ、守護神・…

 町田ゼルビア、鹿島アントラーズガンバ大阪ら上位陣との差をじわじわと広げられているサンフレッチェ広島

 ただ、守護神・大迫敬介が「何もまだ終わっていないし、(シーズンの)半分も終わっていない。こういったゲーム(6月19日の横浜F・マリノス戦)で勝ち点1、勝ち点3を拾っていかないと上には食い込んでいけないと思うので、しっかりと修正したい」と前向きに語ったように、まだまだ諦める必要は全くないのだ。

 さしあたって、ボランチをどうするかというのは、直近の大きなテーマではないか。川村拓夢野津田岳人という実績ある2人が同じタイミングでいなくなるというのは、ミヒャエル・スキッベ監督にとっては頭の痛いところ。しかも、満田誠が退場し、次節・柏レイソル戦は出場停止。松本泰志が好調をキープしているのは朗報だが、今季何度かやっているように塩谷司を一列上げるのがベストな方策なのか。そのあたりを模索しているに違いない。

「次は(佐々木)翔が戻ってくるけど、(荒木)隼人のケガもあるので、バランスを見ながらになると思います。どこをやるにしても、自分にできる最大限のプレーをしなきゃいけないと思っているので」と塩谷はベテランらしい口ぶりで冷静に状況を見極めていく構え。確かに荒木不在となれば、最終ラインの陣容に不安は残る。塩谷は残して、松本大弥のような若手を抜擢する策もあるだろう。

■「もっと若手が出てこなきゃいけない」

「ケガ人や移籍で選手がいなくなっても、突き上げてくる選手が出てこないといけない。自分も広島に来てからそういう形で試合に出るようになって、今もやれているんで。若い選手とってはすごいチャンスだと思いますし、もっと若手が出てこなきゃいけない」と塩谷は語気を強めたが、まさにその通りだろう。

 横浜戦でも途中出場の20歳・越道草太が宮市亮とのマッチアップで奮闘。懸命に体を寄せてスピードを削ぐような守備を見せていたが、彼のような成長株が広島には何人かいる。川村も「自分も2年前に1つのきっかけでレギュラーをつかんで代表に呼んでもらえるようになった」と語っていたことがあったが、そういった循環を加速させていくことが、町田やヴィッセル神戸のような資金力を持たないクラブが成功する道。育成手腕に長けたスキッベ監督もよく分かっているはずだ。

 一方でベテランの有効活用というのもあっていい。前半の天王山とも言える横浜戦で手痛い逆転負けを喫した今、チームが揺れ動くようなことがあってはいけない。そこは塩谷も「僕らがバラバラにならないようにしていかないといけない」と強調する。

■38歳・青山敏弘の存在

 そんな時だけに、38歳の青山敏弘の存在がより大きくなるのではないか。

「彼は背中で示していますよね。ホントにプロフェッショナルなんで。ああいう選手が1人いるっていうのは、試合に出る出ないに関わらず、若い選手にとって素晴らしいことだと思います」と塩谷は神妙な面持ちで語っていたが、出番が少なくても日々のトレーニングを120%の力でこなす元日本代表の振舞いは必ずいい刺激になるはずだ。

「アオさんの振舞いを見ていたら、僕らは絶対に手を抜けない」と今季ベンチが多かった野津田も6月9日のYBCルヴァンカップ・FC東京戦の際に語っていた。そういう大ベテランが天皇杯・FCバレイン下関戦に続いてピッチに立てば、チーム全体をピリッとさせる活力になるのではないか。

 いずれにしても、広島は今、ここで踏み止まらなければいけない。2年連続J1・3位というチームだけに、これまで同様、復調してくる可能性は大だが、今季は秋からAFCチャンピオンズリーグACL)2が控えている。日程もよりタイトになるだけに、選手層の上積みは必須。指揮官の手腕、チームの補強含めて、今後の動向を注視していきたいものである。

(取材・文/元川悦子)

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