パリ五輪のメンバーに生き残るのは誰か。注目のサバイバルが佳境を迎える(C)Getty Images  女子バレー日本代表が、2004年のアテネ大会から数えて6大会連続となる五輪出場を決めた。昨秋の五輪予選で敗れた後、ラ…

 

パリ五輪のメンバーに生き残るのは誰か。注目のサバイバルが佳境を迎える(C)Getty Images

 

 女子バレー日本代表が、2004年のアテネ大会から数えて6大会連続となる五輪出場を決めた。昨秋の五輪予選で敗れた後、ラストチャンスとなるネーションズリーグに出場。初戦のトルコにフルセット勝ちを収め、アジアのライバル中国も打破。福岡ラウンドでカナダに敗れたが、翌日、世界ランキング上すでに日本が五輪出場を確定させるポイントに達していると判断され、五輪出場が正式に決まった。

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 前回の東京大会では予選グループリーグで1勝4敗とまさかの結果に沈んだが、わずか3年で鮮やかな復活を遂げた。原動力になったのは、東京大会で悔しさを味わい、さらにさかのぼれば2016年のリオデジャネイロ五輪では最終選考で落選し、悔し涙を流してから這い上がって来た古賀紗理那の存在が大きい。2022年の新チーム発足以後、主将としてチームをまとめ、先頭に立ってきた。もともと10代で日本代表に選出された頃から、攻守のバランスに優れた大型エースとして期待を集めたが、大会中のケガなどアクシデントにも泣かされ、本来の力を発揮することができずにいた。

 ようやく花開き、主将としてこれ以上ない活躍を見せたのが今大会だ。セッターの岩崎こよみが高さを活かしたトスで古賀の攻撃力を引き出し、総得点ランキングでも常に上位をキープ。特にVリーグ中から取り組んできたトレーニングの成果を発揮し、高さを増したジャンプを活かし、相手のブロックが揃った状態でも立て続けに決める勝負強さを発揮した。

 これぞチームの顔とも言うべき古賀の覚醒もさることながら、ネーションズリーグでの活躍が目立ったのが古賀と同じアウトサイドヒッターの石川真佑だ。高校時代から男子日本代表で主将を務める「石川祐希の妹」として注目を集め、東京五輪にも出場したが、勝負所で決めきれず、敗戦の責任を背負い涙してきた。その課題を克服すべく、アタッカーとしてのレベルアップを目指し、昨シーズンは兄と同じくイタリアのフィレンツェへ渡り、1シーズン、ほぼすべての試合でスターティングメンバーとして活躍。相手の高さに対しても巧みな攻撃で得点をもぎ取る活躍を見せた。その自信がネーションズリーグでも存分に活かされ、チーム内では古賀に続く得点をマーク。古賀と同様に覚醒した姿を見せた。

 さらに欠かせないのがもう1人のアウトサイドヒッターである林琴奈だろう。古賀、石川に比べて地味な印象ではあるが、レシーブ力と堅実性、正確性、さらに献身さにおいて林の右に出る選手はいない。主に守備面での役割を担うが、そこからの攻撃力にも安定感があり、日本にとってキープレーヤーともなるのが林であるのは間違いない。世界の強豪国からのマークも厳しくなっているのが何よりの証明といえるだろう。

 セッターは五輪予選は関菜々巳が正セッターとして全試合に出場したが、ネーションズリーグでは岩崎こよみが正セッターを務め、高い位置からのトスワークで両サイドを活かした。古賀、石川が高い打点から打ち切れたのは岩崎のトスの高さが維持されていたことも大きい。やや両レフトに偏りすぎるシーンもあったが、流れを変えるべく投入された関がミドルやライトからの攻撃を使い、それぞれが異なる特性を活かし、チームとしては幅も加わった。パリ五輪もおそらく岩崎、関の2人が選出されるはずだ。日本の攻撃陣をどう活かすか、手腕に注目したい。

 世界選手権やネーションズリーグは14名がベンチ入りするのに対し、オリンピックは12名。ここから熾烈なメンバー争いも繰り広げられるが、古賀、石川、林、さらに技巧派の井上愛里沙、攻撃型の和田由紀子がネーションズリーグでもアピールし、アウトサイドヒッターのメンバーは堅い。最も激しい争いになりそうなのがミドルブロッカーとリベロだ。

 ミドルブロッカーは高さとサーブ力に加え東京五輪出場の経験を山田二千華、サイドからコンバートされブロック力と攻撃力にも定評のある宮部藍梨。そこに新戦力でブロック力を力強いクイックを武器とする荒木彩花、ベテランでフィジカルと機動力に長けた渡邊彩。三つ巴ならぬ四つ巴の戦いとなり、リベロもサーブレシーブ力と統率力を武器とする小島満菜美と、ディグ力を誇る福留慧美が争う。タイで開幕するファイナルラウンドはまさに最終選考の場でもある中、どんなプレーを見せるのか注目だ。

 

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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