バレーボール女子日本代表に異例の形でパリ五輪切符が舞い込んだ。「買取大吉 バレーボールネーションズリーグ2024福岡大会」のカナダ戦敗戦から一夜明けた14日、日本バレーボール協会に国際バレーボール連盟(FIVB)から通知があった。13日の段…

バレーボール女子日本代表に異例の形でパリ五輪切符が舞い込んだ。

「買取大吉 バレーボールネーションズリーグ2024福岡大会」のカナダ戦敗戦から一夜明けた14日、日本バレーボール協会に国際バレーボール連盟(FIVB)から通知があった。13日の段階では持ち越しとなっていたが、一転して15日セルビア戦、16日米国戦の結果によらず、世界ランキングにより出場権獲得圏内に入ることが確定した。五輪6大会連続出場が決定。

この日試合がなかったチームは会場の西日本総合展示場のサブコートで調整。残り2戦は12年ロンドン大会以来12年ぶりの五輪メダルを見据えて戦う。

   ◇   ◇   ◇

前代未聞の発表だった。日本の6大会連続14回目の五輪出場が、試合のない14日に決まった。前日13日のカナダ戦前。FIVBが日本バレーボール協会に、日本が同国戦に勝てばパリ切符獲得が「事実上決定」と通知。日本はフルセットの末に敗れたが、香港など他会場を含めたこの日の全試合終了後に世界ランキングが再計算され、14日朝に日本のパリ行きが決定していたことがアナウンスされた。急転直下となったが、古賀主将は「出場権獲得が目標だったので素直にうれしい」と喜びを口にした。

混乱を招いた背景には難解なポイントシステムがある。勝敗だけでなく、セットカウントによっても変動し、基本的に上位チームが下位チームに敗れるほど失うポイント(P)は大きい。対戦時の世界ランクや過去の対戦成績などを反映して試合ごとにPが設定されるが、その算出方法はブラックボックスだ。

それでも真鍋監督は20年2月に一新されたこのポイントシステムを逆に戦略的に活用。「今思うと(現体制)1年目の貯金が大きかった」と振り返る。25年ぶりの1次リーグ敗退を喫した21年東京五輪後に再建を託され、代表監督に復帰。パリ出場枠奪取のため「22年のVNL(ネーションズリーグ)で世界ランキングを上げるしかない」と考え、同大会で多くの強豪国が若手中心に起用する中、ベストメンバーをそろえ開幕8連勝を決めた。同年世界選手権でも5位につけ、このシーズンで約50Pを獲得。東京五輪後9位だった世界ランキングは1季で6位まで上昇した。同ランキングからつかんだパリ切符は、結果的に22年に挙げた“貯金”が生きた形となった。

指揮官は約2年半を振り返り「まずは目標をクリアして安堵(あんど)している。昨年(の五輪予選W杯バレーは)悔しい試合で出場権をとることができなかったので今年のVNLに懸けていた」と目を細めた。

15日セルビア戦、16日米国戦と続く。五輪出場は確定も、パリで上位国との対戦が少なくすむ世界ランキング5番手以内に入るには、さらにポイントを重ねる必要がある。「残りの2試合の結果次第で世界ランキングが変わる。気を引き締めて戦っていきたい」と古賀。両国から白星を勝ち取り、本番へ弾みをつける。【竹本穂乃加】