ネリを退けた井上。それゆえにますます世界からの要求も高くなっている感がある。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext  ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)の行く…

 

ネリを退けた井上。それゆえにますます世界からの要求も高くなっている感がある。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext

 

 ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)の行く末が論争との対象となっている。

 図抜けた強さゆえ、か。日本が生んだ怪物の現状は人々の関心を集める。井上は、去る5月6日に東京ドームで行われたルイス・ネリ(メキシコ)でも6回TKOで勝利。プロキャリア戦績を27戦0敗(24KO)とし、“無敗伝説”を継続した。

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 本人は当面の間、スーパーバンタム級で戦う姿勢を見せている。現地時間6月8日には、米スポーツ専門局『ESPN』の番組内で「しっかりとフェザー級の身体というものになった時に考えます」と明言。かねてから「自分のパフォーマンスが潰されるなら上げることはしない」と語ってきた自身の信念を貫いている。

 ただ、敵なしの強さを誇り、「世界最強」と言われるまでに至った井上の“階級維持”には論争を巻き起こしている。米メディア『Pro Box TV』のYouTube番組「Deep Waters」に出演した元世界2階級制覇王者のティモシー・ブラッドリー氏は、「彼は今の階級であまりダメージを受けているわけじゃない。126(フェザー級)に昇格できるし、そのための時間も十分に得ていると思う」と断言した。

 かねてから井上のフェザー転級について「自分の力を試すべき」と語ってきたブラッドリー氏。一方で殿堂入り戦士の持論には反発の声も上がった。同番組のホストでもある元WBO世界スーパーライト級王者のクリス・アルジェリ氏は「彼のいる軽量級で階級を上げるのは厳しいことなんだ。階級を上げて適切なフィジカルを身につけるには時間はない」と反論。井上自身も求める“適正”の正当性を指摘している。

 ただ、これにもブラッドリー氏は不満げだ。軽量級では異例と言われる莫大な収入を創出する現状をふまえ、「誰も彼が何者かを知らなかったようだ。だからこそ私はイノウエが階級を上げ、アメリカの市場に参入すべきだと思う。彼次第だがね」とキッパリ。

 これにアルジェリ氏に「彼はアメリカでの名声に興味はないんじゃないか。イノウエは落ち着いた人間だし、なにより東京ドームに5万5000人の観客を動員している」と反論されても、40歳のレジェンドは「なんで自分を過小評価するんだ? アメリカに来て、さらに稼ぐという選択肢もあるはずだ」と意見。最後まで階級上げの重要性を訴え続けた。

 おそらく井上がフェザー級に進むのはまだ先。そうした中で“ボクシングの本場”では、モンスターの進級に関する議論がさらに白熱していきそうだ。

 

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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