主将の古賀が牽引する女子代表。韓国戦はひとつの山場だ(C)Getty Images  パリ五輪出場を決める、最後の4戦。男子大会に続き、福岡・北九州で開催されるネーションズリーグ、女子バレー日本代表は韓国、カナダ、セル…

 

主将の古賀が牽引する女子代表。韓国戦はひとつの山場だ(C)Getty Images

 

 パリ五輪出場を決める、最後の4戦。男子大会に続き、福岡・北九州で開催されるネーションズリーグ、女子バレー日本代表は韓国、カナダ、セルビア、アメリカと対戦する。

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 6月16日の全試合終了時点での世界ランキングによって、アジア最上位になるか、すでに五輪出場を決めた7か国(五輪予選の3グループ上位2チーム+開催国のフランス)と、アジア最上位、アフリカ最上位を除いた上位3位以内に入れば出場が確定する。

 韓国戦を控えた12日現在、日本は世界ランキング6位。329.62ポイントを獲得しており、7位の中国をおさえアジア最上位に位置する。このまま中国よりもポイントが上回ればアジア代表としてパリ五輪出場が決まる。もしも中国が上回ったとしても、五輪出場を争う9位のオランダ(290.95ポイント)、10位のカナダ(282.55ポイント)とのポイント差も開いており、日本がパリ五輪出場を決める可能性は高いと言っても過言ではない。

 だが、唯一の懸念材料となるのが、このポイントは世界ランキングで上回る相手に勝利すれば高ポイントを得られる一方、自チームよりも下位にいるチームに敗れれば減点されるポイントも多くなるということ。福岡ラウンドで対戦する韓国(38位)はまさにその対象であり、五輪出場がともにかかったカナダと同様に、負けられない相手であるのは間違いない。

 ここまで8戦を終え、日本は6勝。初戦で世界ランキング1位のトルコにフルセットで勝利したことで勢いに乗り、その後も中国、ドミニカ共和国といった強豪との戦いを制した最大の原動力となったのは、やはり主将の古賀紗理那だろう。

 全出場選手の中で総得点3位、ベストアタッカーで4位と上位につけていることからもわかるように、攻撃力において圧倒的な存在感を発揮している。Vリーグシーズンから磨き上げてきたジャンプで、高い打点から相手のブロックが何枚いようと時に上から、別の場面では空いたコースに打つ巧みさで、得点を叩き出してきた。

 対角に入る、同じアウトサイドヒッターの石川真佑も好調だ。昨シーズンはイタリア・フィレンツェでプレーし、ほぼ全試合に出場し、世界の高さと対峙してきた。その経験を活かし、ネーションズリーグでは相手ブロックをうまく利用した攻撃で得点を量産。161得点の古賀に次ぐ118得点はチーム2位。両アウトサイドヒッターの好調ぶりが、チームの好成績にもつながっている。

 高い攻撃力を引き出すために、不可欠なのが司令塔でもあるセッターだ。今大会、レギュラーセッターとしてトスを上げるのは岩崎こよみ。2017年のワールドグランドチャンピオンズカップ、18年の世界選手権にも出場し、結婚、出産を経て昨年はアジア競技大会にも出場し、主将を務めた。高い位置でのセットアップで、古賀、石川の打点を活かす。サーブでも相手の守備を崩し、多くのブレイクポイントにつなげた。五輪予選を正セッターとして戦った関菜々巳、ブラジルでの武者修行を経てトスワークに厚みが増した松井珠己と共に、攻撃陣を活かすセッター陣の活躍にも注目だ。

 昨秋の五輪予選に続いて、何より「勝利」が求められる大会。選手にとってプレッシャーがかかるものではあるが、ホームの声援を後押しに、五輪出場を決めるべく、古賀を筆頭に選手たちの士気も高まっている。他国の対戦成績によってランキングも日々変動するため、五輪出場が確定する瞬間がどの試合になるかは未定だが、韓国、カナダを打破すればその可能性は多いに高まる。

 悲願のパリ五輪出場に向け、負けられない戦いに臨む日本代表。よりバリエーションの増した攻撃は必見だ。

 

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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