角田はカナダGPで14位。66週目にスピンして順位を落とした(C)Getty Images

 F1第9戦カナダGPが現地時間6月9日、モントリオールのジル・ビルヌーブ・サーキットで決勝(70周)が行われ、RBの角田裕毅は終盤まで入賞圏内を走行するも66周目にスピンを喫して14位に後退。4戦連続入賞をマークすることができなかった。しかも決勝後にはレース以外のミスで罰金を科されるなど踏んだり蹴ったりだった。

【動画】戦慄のクラッシュシーン…F1モナコGPで起きた衝撃的瞬間をチェック

「自分のミス。チームに申し訳ない。戦略もいい方向に働いていたし、フリー走行、予選までは良かった。しかし、このような形でレースを終えたことは残念」

 8番グリッドの好位置を獲得。決勝前の降雨で浅溝のインターミディエイトタイヤを装着してのレースとなったが、スタートに失敗し、序盤に12番手まで後退した。それでもセーフティーカーが出た場面でピットに入らずステイアウトしたことで7番手までジャンプアップ。その後はコース上で2台に抜かれたが、スピンするまでは9番手を走行していた。

 罰金の理由は決勝中の出来事は関係なく、決勝前。国歌演奏の行事に遅刻してしまったことが問われた。通知書によると、チーム側が選手に時間を伝えることを怠ったとしており、チームに対して1万ユーロ(約168万9000円)が科された。

 レーススチュワードは「国歌演奏への出席はレース前の過程では重要な要素で、ホスト国への敬意を示すことだ」と過失責任を認め、戒告けん責などの処分ではなく、罰金が相当と判断した。ピットロードの速度違反は1キロあたり100ユーロが相場で、予想外の厳罰となった。

 ちなみに競技規則でも参加が義務付けられている公式記者会見への遅刻は罰金500ドル(約8万円)。レース前のドライバーブリーフィングも遅刻は厳禁で、2008年にキミ・ライコネンが5000ユーロ(当時のレートで約60万円)を科されたことがある。22年には国際自動車連盟の年間表彰式を欠席したルイス・ハミルトンに罰金として5万ユーロ(当時で約660万円)が請求されたが、学生のモータースポーツ活動の支援を名目に同額を寄付することで相殺となった。

 角田についてはカナダGPの予選前にRBに来季も残留することが正式発表され、予選も好調だったが、決勝が行われた日曜日は一転して厄が降り掛かってしまった。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]


【関連記事】なぜ角田裕毅は“罵倒”しなくなったのか? 本人が明かした飛躍のワケ「自分は無線の使い方を学んだんだ」

【関連記事】獲得ポイントは早くも昨季超え!移籍の噂が絶えない角田裕毅はなぜ”急成長”を遂げたのか

【関連記事】「ラストイヤーに関われることが楽しみ」RBと契約延長の角田裕毅が喜びの声 カナダGPでは予選8番手を獲得