山本の投球に舌を巻いたジャッジ。(C)Getty Images  真価を発揮した日本人右腕に、メジャーリーグの顔とも言える大砲も舌を巻いた。 現地時間6月7日、敵地で行われたヤンキース戦にドジャースの山本由伸は先発登板…

 

山本の投球に舌を巻いたジャッジ。(C)Getty Images

 

 真価を発揮した日本人右腕に、メジャーリーグの顔とも言える大砲も舌を巻いた。

 現地時間6月7日、敵地で行われたヤンキース戦にドジャースの山本由伸は先発登板。味方打線の援護に恵まれず、7勝目こそ手にできなかったが、メジャー自己最多となる106球を投げ、7回を被安打2、7奪三振、無失点で切り抜けた。

【動画】スタントンのバットを粉砕! 山本由伸の臨場感ある投球シーン

 

 ホームファンから強烈な野次を浴びようとも、山本は一切動じなかった。打たれたヒットは1、2回の2本だけ。一度も回の先頭打者を出塁させない危なげない内容で、強打者が居並ぶヤンキース打線をねじ伏せた。

 従来の平均球速よりも1.7マイル(約2.7キロ)も上がった4シームをはじめ、全ての球種がこれまでより1マイル以上も速かった。試合後のフラッシュインタビューに応じた当人曰く「自分のフォームで投げられた」ようだが、この大一番でギアが上がった感があった。

 昨年12月にヤンキースも加わった争奪戦の末にMLBの投手史上最高額となる12年総額3億2500万ドル(約455億円=当時のレート)でドジャースと契約を締結した山本。そんな怪腕から左翼線を破る二塁打を放ったヤンキースの主砲アーロン・ジャッジは、試合後に地元スポーツ局『YES Network』が実施したフラッシュインタビューで「彼があれだけの契約を結んだのには理由がある。素晴らしい投手だからだよ」と指摘。実際に目の当たりにしたポテンシャルの高さを語った。

「エリート級の持ち球を持っているだけでなく、制球もよかった。そして今日、僕らが目を引いたのは、打者有利のカウントになっても、彼が屈せずに打ちごろのボールを投げてこなかったことだ。常に際どいコースに、どんな球種もいつでも投げられた。カーブ、スプリットに加え、速球は97、98マイルを投げていた。おかげで僕はバランスを崩されたね」

 さらに「すべての球種がよかった。速球は素晴らしかった」と続けたジャッジは、「最高だったのは、あれだけの球速の球をただ投げるだけじゃなく、好きな所に自在に投げられることだ。左右、高低に投げ分け、僕にはインコースにも投げてきた。見事だったよ」と称賛の言葉を並べた。

 22年にはアメリカン・リーグの最多となる年62本塁打を放ったジャッジ。この大打者に「彼ともう一度、対戦したい。最高の投手と対戦したいものだ」と言わしめた山本。これ以上にないアピールになったと言えよう。

 

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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