井上とデービス。軽量級で圧倒的な存在感を放つ両雄のマッチアップへの期待は止まない。(C)Getty Images、(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext  ファンの間で囁かれてきた&ldqu…

 

井上とデービス。軽量級で圧倒的な存在感を放つ両雄のマッチアップへの期待は止まない。(C)Getty Images、(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext

 

 ファンの間で囁かれてきた“ドリームマッチ”は、今も「もしも」の話として論じられ続けている。ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)と、WBA世界ライト級王者のガーボンタ・デービス(米国)の対戦である。

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 両者の間に「差」があるのは火を見るよりも明らかだ。なにせ階級が3つも違う。これはダメージなどを考慮して階級制が設けられているボクシングにおいて埋まりようがない差と言っていい。実際、今年5月に井上との対戦に関して意見を求められたデービスも、「俺が下げて、彼が上げて、130ポンド(スーパーフェザー級)でなら……。でも正直言ってやる可能性はない。流石に厳しいだろ。やらないと思う」とキッパリと語っている。

 それでも人々は軽量級で異彩を放つ両雄の直接対決に夢を見続ける。現地時間6月1日には、米ボクシング専門サイト『ProBox』のメキシコ版は「王様は誰だ」という企画を実施。そのなかでスポーツジャーナリストで、「ボクシングの百科事典」の異名を持つラロ・カマレナ氏が「お金を払ってでも見たい存在だ。技術があり、防御も攻撃も素晴らしい。何よりもパンチが多彩だ」と井上を激賞。そのうえでデービスとの比較を展開した。

 無論、29戦無敗にして、3階級を制してきたデービスを軽んじるわけではない。カマレナ氏は「彼もボクシングは上手い。言われるように重要な動きもできる」と評したうえで、「だが、イノウエは偉大な戦士たちと同じ動きをする」と指摘。日本が生んだ怪物の“勝利”を予想する。

「デービスはイノウエよりもパンチを避ける動きは優れているように思う。彼にパンチを当てるのは簡単じゃない。でも、それは彼のサウスポーの構えによるものだと思う。そういう意味でも私はイノウエの方が完成されていて、爆発力があり、見ごたえがあると考える。デービスの戦績も実力を証明しているが、私はイノウエが勝つという方が好みだ。彼は並外れたチャンピオンであり、お金を払う価値があるが、あくまでイノウエの次だ」

 井上とデービスのカードは、常に刺激を求めるファンや識者にとって語らずにはいられない非現実的な顔合わせではある。だからこそ、「もしも」の話題は尽きない。

 

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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