ヤクルトが延長10回にサヨナラ勝ちを決めた(C)産経新聞社 ヤクルトは6月4日、神宮球場で西武との交流戦を戦って4-3で勝利。2点を追う9回二死一・二塁から山田哲人の通算300二塁打となる適時二塁打で同点にすると、延長10回に丸山和…

ヤクルトが延長10回にサヨナラ勝ちを決めた(C)産経新聞社

 ヤクルトは6月4日、神宮球場で西武との交流戦を戦って4-3で勝利。2点を追う9回二死一・二塁から山田哲人の通算300二塁打となる適時二塁打で同点にすると、延長10回に丸山和郁がサヨナラ勝ちを呼びこむ内野安打で試合を決めた。

【動画】山田哲人が9回に同点打!延長10回に丸山和郁がサヨナラ勝ち呼び込むバント安打!

 先発の吉村貢司郎は6回までノーヒットピッチングを続けていたが、7回、外崎修汰に初球を左翼席へ運ばれて1‐1の同点に追いつかれる。続く蛭間拓哉は見逃し三振で一死となったが、岸潤一郎に安打を打たれて一死一塁。犠打を決められて二死二塁となり、栗山巧には適時打二塁打を浴びて1‐2とされたところで降板した。

 打線は西武先発の今井達也に初回に挙げた1点のみに抑えられていた。9回はその今井がドミンゴ・サンタナから空振り三振を奪ったあとで降板。二死一・二塁で代わってマウンドに上がったアルバート・アブレイユから山田哲人が右翼線へ適時二塁打を放った。

 起死回生の一打にキャプテンは二塁ベース上でガッツポーズ。代走を送られてベンチに戻っていた村上宗隆も喜びを爆発し、チーム一丸となった。

 延長10回は田口麗斗が3人で片づけると、その裏の無死一・二塁から丸山和郁が三塁へのバントが内野安打となり、さらに三塁手が悪送球して二塁走者がホームイン。サヨナラ勝ちで2連勝を決めた。

 丸山はこの日2打数1安打で、最初の2打席はともに犠打を決めて得点圏に走者を進めた。最後の打席も絶妙なバントが三塁手の失策を誘発した。

 髙津臣吾監督はこの日、2番に丸山を起用したのは、小技を使ってスコアリングポジションに走者を置き、クリーンアップで還したいという理由からだった。しかし、3番の長岡秀樹は初回に適時打を放ったが、4番の村上、5番のドミンゴ・サンタナに快音は生まれなかった。それでも、その後に控える6番の山田が期待に応える一打でチームを土壇場で救った。

 髙津臣吾監督は山田の同点打の場面を振り返り「(山田が)打つしかないと思って。ムネにまで代走を出しているわけだから。いい場面で一振りで、ヒット1本で追いついたわけですから、非常に大きかった」と喜びをかみ締めた。

 山田自身も「真っ直ぐの強いピッチャーだったので、その球をしっかり合わせながら迷いなくいけた」と、その打席を振り返った。

 本拠地の神宮球場では5月12日の巨人戦以来となる久々の勝利となった。背番号「1」は「ファンの人と一緒に勝利を分かち合えるというのは、すごく良いことだなと思いました」と、感慨に浸った。
 
 チームは現在リーグ最下位に沈むものの、最後まで諦めない粘りの野球を展開し、価値ある1勝を手にした。これをきっかけに上昇気流に乗っていきたい。

[文:別府勉]

【関連記事】【ヤクルト】「3番」打者は誰が適任か? チームの歴史を支えてきた若松、稲葉、岩村ら“左打者のルーツ”に続く選手の「名前」

【関連記事】【ヤクルト】石川雅規がプロ野球史上初の新人から23年連続勝利! 期待される200勝ともうひとつのスゴい「記録」

【関連記事】【ヤクルト】村上宗隆が“清原超え”の史上最年少200号! 1軍定着前に口にしていた偉大な記録を生む“原動力”とは