チャンピオンズリーグ(CL)決勝、ドルトムントvsレアル・マドリーが、日本時間1日28:00にウェンブリー・スタジアムでキックオフされる。聖地で繰り広げられる欧州王者の座を懸けた全世界注目の一戦だ。 今大会のグループステージ最激戦区でパリ・…

チャンピオンズリーグ(CL)決勝、ドルトムントvsレアル・マドリーが、日本時間1日28:00にウェンブリー・スタジアムでキックオフされる。聖地で繰り広げられる欧州王者の座を懸けた全世界注目の一戦だ。

今大会のグループステージ最激戦区でパリ・サンジェルマン(PSG)、ミラン、ニューカッスルを退け首位通過を決めたドルトムント。決勝トーナメントではPSV、アトレティコ・マドリー相手に得意のホームで勝ち切り、ベスト4進出を決定。さらに、グループステージ対峙したPSGとの再戦となった準決勝では主砲フュルクルクがいずれの試合でも挙げた1点を守り抜き、2戦合計2-0の連勝で2012-13シーズン以来のファイナル進出を果たし、1996-97シーズン以来2度目のビッグイヤー獲得へ王手をかけた。

苦戦したブンデスリーガでは首位レバークーゼンに27ポイント差を付けられ、5位フィニッシュとなったが、フォーマット変更の恩恵によって来季CL出場権を確保。ダルムシュタットとの今季最終戦では今季限りでの退団が発表されたMFロイスの1ゴール1アシストの活躍によって4-0の完勝を収め、最高の形でロンドンに乗り込んでいる。

一方、2シーズンぶり最多15度目の戴冠を目指すマドリーはナポリ、ウニオン・ベルリン、ブラガと同居したグループステージを全勝で突破。続く決勝トーナメントではRBライプツィヒに競り勝って8強入りを決めると、準々決勝では最大の壁となった昨季王者マンチェスター・シティと激突。2試合共に守勢を強いられたものの、傑出した決定力と勝負強さによっていずれもドローに持ち込み、最後はGKルニンが躍動したPK戦を制した。準決勝では同じくバイエルンに厳しい戦いを強いられたが、敗退濃厚となった2ndレグの後半最終盤に伏兵ホセルが殊勲のドブレーテを達成。2戦合計4-3で2ラウンド連続の劇的な勝ち上がりでウェンブリーへの切符を手にした。

国内ではバルセロナ、ジローナのカタルーニャ勢を退けて2シーズンぶりのラ・リーガ制覇。早々に優勝を決めたことで、残りの4試合では主力のコンディション調整にあてることができ、心身ともに万全な状態だ。最後の2試合ではビジャレアル戦で今季最多4失点を喫するらしくない戦いも見せたが、今年1月18日のコパ・デル・レイのアトレティコ戦の敗戦を最後に、公式戦25試合無敗と抜群の安定感を維持したまま今回のファイナルを迎えている。

なお、両チームの通算戦績はマドリーが6勝5分け3敗と勝ち越している。直近は2017-18シーズンのグループステージで対戦しており、マドリーが3-1、3-2といずれも勝利。ドルトムントの同カードでの勝利は2014年4月(2-0)まで遡り、現在は4戦未勝利(2分け2敗)だ。

◆ドルトムント◆

【4-1-4-1】

予想スタメン

(C)CWS Brains,LTD.

GK:コベル

DF:リエルソン、フンメルス、シュロッターベック、マートセン

MF:ジャン

MF:サンチョ、ザビッツァー、ブラント、アデイェミ

FW:フュルクルク

負傷者:DFベンセバイニ、モレイ、FWデュランヴィル

出場停止者:なし

出場停止者はいない。負傷者に関してはベンセバイニ以外に主力クラスで離脱者はいない。

スタメンに関しては準決勝のPSG戦と全く同じスタメンで臨む可能性が高い。これがドルトムントでのラストマッチとなるロイスやマレン、アラーといった攻撃的なカードはベンチから出番を待つことになる。

◆レアル・マドリー◆

【4-3-1-2】

予想スタメン

(C)CWS Brains,LTD.

GK:クルトワ

DF:カルバハル、リュディガー、ナチョ、メンディ

MF:バルベルデ、ベリンガム、カマヴィンガ、クロース

FW:ロドリゴ、ヴィニシウス

負傷者:GKルニン、DFアラバ、MFチュアメニ

出場停止者:なし

出場停止者はいない。負傷者に関してはアラバとチュアメニが不在となり、体調不良のルニンはベンチスタートとなる。

注目のGKはクルトワの復調とルニンのコンディション不良によって大きな議論を巻き起こすことなく、今季CL初出場のベルギー代表が起用されることになった。

フィールドプレーヤーに関してはシステム次第で立ち位置に変化はあるものの、前述のメンバーがウェンブリーのピッチに立つことになりそうだ。

★注目選手

◆ドルトムント:MFユリアン・ブラント

Getty Images

PSG戦に続くハイパフォーマンスで番狂わせ起こせるか。ドルトムントでのラストマッチとなるロイス、ヴィニシウスらと対峙するフンメルス、リエルソンの守備陣、CL3戦連発中のフュルクルクも重要なキーマンとなるが、中盤で攻撃のカギを握る司令塔のパフォーマンスがドルトムントにとってより重要になるはずだ。

今シーズンここまでは公式戦46試合10ゴール16アシストと傑出した数字を残しつつ、ビルドアップやカウンターの起点としても絶大な存在感を示す28歳。今回の決勝では同胞クロースや元同僚ベリンガムというワールドクラスの相手中盤を相手に攻守両面でのハイパフォーマンスが求められる。とりわけ、守勢を強いられる展開においては守備面のハードワーク、サンチョ、アデイェミの快足アタッカーを活かすカウンターの起点としての仕事がより重要となる。

◆レアル・マドリー:MFトニ・クロース

Getty Images

正真正銘マドリーのラストマッチで有終の美飾れるか。マドリーでは古巣対戦のベリンガムとリュディガー、今季CL初出場のクルトワ、エースのヴィニシウスがキーマンだ。ただ、ユーロ2024を最後に現役引退を決断した34歳MFのクラブレベルでのラストマッチでの一挙手一投足に注目したい。

古巣対戦のバイエルン戦で見せた異次元のパフォーマンスを見れば、あと数年はトップレベルでプレー可能ではあるものの、自身の美学によってこのタイミングを引き際と悟ったマエストロにはその決断に相応しいパフォーマンスをこの試合でも見せてほしいところだ。

なお、バイエルン、マドリーと常勝軍団に長らく在籍していたクロースだが、ドルトムントとの対戦成績は意外にも6勝5分け8敗と負け越している。今回の一戦ではそのかつての宿敵をきっちりと撃破し、最高のフィナーレを迎えたい。

プレー面ではタフなザビッツァーやドイツ代表の同僚たちと戦いつつ、その特徴をよく知るフンメルスとシュロッターベックのセンターバックコンビの弱点を突いたチャンスメークでヴィニシウスら自慢のアタッカー陣を操りたい。