炎上して初黒星を喫した今永だが、そのパーソナリティもファンに受け入れられているようだ(C)Getty Images カブスの今永昇太は現地時間5月29日(日本時間30日)、ブルワーズ戦でメジャー初黒星を喫した。初登板から5連勝を達成…

炎上して初黒星を喫した今永だが、そのパーソナリティもファンに受け入れられているようだ(C)Getty Images

 カブスの今永昇太は現地時間5月29日(日本時間30日)、ブルワーズ戦でメジャー初黒星を喫した。初登板から5連勝を達成しており、この試合まで防御率0.84とMLB記録にも刻まれるほどの活躍を続けていた中、10度目の先発マウンドではブルワーズ打線を相手に7失点と炎上。5回途中で降板を告げられ、敗戦投手となった。

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 だが、目覚ましいパフォーマンスを披露していた新人左腕に対する評価は決して下がってはいないようだ。試合から一夜明けた現地時間5月30日(同31日)、米スポーツメディア『FANSIDED』では、今永の人間性について論じる特集記事を配信している。

 トピックの中では、「ショウタ・イマナガは野球界最高のストーリーの1つだ。シーズン最初の2か月間、ほとんど時代錯誤的な投球で相手打者を困惑させた」とここまでのピッチングを評するとともに、「水曜日、イマナガはブルワーズに7失点し、5回途中で降板。人間であることを証明した」と最新の登板内容を振り返った。

 その上で、試合後の今永の振る舞いに同メディアはフォーカスしており、「インタビューで、クレイグ・カウンセル監督に謝罪したイマナガをカブスファンはもっと好きになるだろう」と綴っている。

 さらに、降雨中止で登板日が変更となり、ブルワーズ戦では中10日での先発となった点には、「登板間の余分な時間が、実際にイマナガの苦戦に影響したかどうか疑問に思うのも無理はない」としながらも、初めてメジャーの舞台に立った今永への指揮官の配慮だったと強調し、「エースを長期的な視野で起用したカウンセルの姿勢は評価すべきだろう」として、決断に賛辞を贈った。

 他にも、カブス入団以降、メディアやファンの関心を惹きつけてきた今永のパーソナリティを掘り下げ、「新しいボールを受け取るたびにホームプレートの審判に頭を下げるほどの男だ。こうしてファンのお気に入りになる」と指摘。

 加えて同メディアは、「水曜日の敗戦により、シカゴの街と、ファンを驚かせているエースとの間に芽生えつつある愛情が失われることはない。そして、試合後の謝罪で示されたイマナガの謙虚さが、互いの熱狂を今後もさらに深める要因となるのではないだろうか」と見通している。

 今永のデビュー以降の内容からも、ブルワーズ戦はショッキングとも捉えられる大量失点での初黒星だった。だが、すでに厚い信頼を寄せているという指揮官やカブスファンとの関係については、微塵も揺らぐことは無さそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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