第2回パールカップに向けて意気込みを語る柳原真緒 photo by Noto Sunao(a presto)「第2回パールカップ」直前インタビュー② 柳原真緒 ガールズケイリンのGⅠ開催「第2回パールカップ」が6月11日(火)~13日(木)…


第2回パールカップに向けて意気込みを語る柳原真緒

 photo by Noto Sunao(a presto)

「第2回パールカップ」直前インタビュー② 柳原真緒

 ガールズケイリンのGⅠ開催「第2回パールカップ」が6月11日(火)~13日(木)に岸和田競輪場で開催される。この3日間で頂点に立った1選手のみ、ガールズケイリン最高峰の争い「ガールズグランプリ2024」への切符を早々に手にできるため、選手はもちろんファンにとっても重要な開催となっている。

 その優勝候補のひとりが、2022年のガールズグランプリ覇者であり、4月のGⅠ開催「オールガールズクラシック」の決勝にも乗った柳原真緒(福井・114期)だ。虎視眈々とタイトルを狙う彼女にパールカップにかける意気込みを聞いてみた。

【いつも以上の緊張に「あれ?」】

――昨年のパールカップでは4着となりました。その時の悔しさなどの感情は覚えていますか。

 何もできずに4着で終わった印象です。1、2回、仕掛けどころがあったんですけど、そこで動けなかったなという悔しさはありました。初日、2日目を走ってみて、(優勝した)児玉碧衣さんの実力が頭ひとつ抜けているなと。そういう感情を持ってしまった時点で後れを取ってしまったなと感じました。

――昨年は初のGⅠ開催ということで、周りの選手たちの雰囲気がいつもと違うなと感じた記憶はありますか。

 それまでは毎年11月の競輪祭でガールズグランプリに出場する2枠が決まっていました。そこではかなり張りつめた空気だったので、そこの雰囲気よりはまだ和らいでいた感じはありましたね。

――確かに11月末の開催ですから、そこは賞金ランキング争いも含めて、ピリピリした感じになりそうですね。GⅠ開催ということですと、4月末に「オールガールズクラシック」が開催されました。先ほどお話しされた児玉選手が優勝して早くもガールズグランプリ2024への出場を決めました。柳原選手は決勝で4着という結果でしたが、この結果はどう捉えていますか。

 自分のなかでは結構、仕上げていったんですけど、何か今までとは違うメンタル的要素が障害になったなという印象はありますね。今まではレースの流れを見て、仕掛けどころがわかって、そのタイミングで仕掛けられていたんですけど、オールガールズクラシックではなぜか体が動かなかった。仕掛けたいところで躊躇してしまう。それが毎日続いていました。

 GⅠのようなビッグレースは、あまり緊張しないんですが、オールガールズクラシックでは、特に自分への注目度が高かったわけでもないのにいつも以上に緊張度があったなと思います。いつもはメンタルを調整しながら臨めていたんですけど......。練習はしっかりしていって、その前の開催よりも調子も上げていましたが、自分のなかで「あれっ、どう修正していけばいいんだろう」という感じになっていました。

――開催中のコメントではまったく察することができませんでした。では3日目の決勝を振り返ってみてどんなレースでしたか。

 序盤から取りたい位置を取れたんですが、その時も体が動かなくて......。体が動く時には、レース中はほぼ無心で勝手に体が動く感じで戦っています。それがレース中に結構、考えてしまうことが多かったですね。

――師匠や練習仲間からオールガールズクラシックを終えて、何かアドバイスはありましたか。

「仕掛けられないイップスみたいになっているんじゃないか」と言われました。イップス自体がどんなものなのかわからないので、当てはまっているかはわかりませんが、その仕掛けられない状態を、次の開催(5月6日~8日・和歌山競輪・決勝3着)でもそのまま引きずってしまっているところがありました。

――その状態を打開するために必要なことはどんなことだと考えていますか。

 思い切って仕掛けてしまえば、変わるんだろうなと。レースのイメージを明確にできれば、よくなっていくと思っています。

ガールズケイリン界を引っ張るひとり、柳原真緒

 photo by Yasuda Kenji

【絶対に決勝は乗りたい】

――(5月30日)現在、賞金ランキングは10位です。年明けから5カ月間の結果をどう捉えていますか。

 調子の浮き沈みがちょっと激しいのかなと思います。コンディションはだんだんよくなってきていますけど、この前のオールガールズクラシックがあの状態だったので、迷走しているかなと。自分にとってはメンタルがすごく重要ですね。

――パールカップに向けては、どのようなコンディション調整を考えていますか。

 岸和田競輪場でのレースを想定して、自分がどこで、どう仕掛けるかをしっかりイメージして練習したいと思っています。先ほども言いましたけど、昨年のパールカップは何もできず、その反省という意味では収穫はありましたが、やはり動いてレースをしたほうが収穫は大きいので、今年は動きたいという思いはありますね。

――パールカップは東西対抗という形式で、出場選手は東日本エリア、西日本エリアからそれぞれ14名が選抜。初日・2日目に行なわれる東西別の予選・準決勝を勝ち上がった選手だけが決勝へと駒を進められます。柳原選手は西日本エリアで優勝候補のひとりとなりますが、東西対抗は意識していますか。

 西のほうが動く選手が多いので、そうすると自分から動きにくくなる部分がありますが、勝ち上がり方式は変わりませんので、昨年みたいに自在に動いて、いい位置を取っていきたいです。

 そのなかでも初日のレースは重要で、初日のレースを見れば、それぞれの選手の次の日の動きがわかったりします。だから自分も見られていると思うので、自分のやりたいレースを初日からできれば、決勝で心理的にも大きく差がついてくるのかなと思いますね。

――パールカップについての期する思いはありますか。

 やっぱり地元の近畿地区の開催なので、絶対に決勝は乗りたいという思いはあります。そして優勝したいですね。

【Profile】
柳原真緒(やなぎはら・まお)
1997年5月18日生まれ、福井県出身。身長164cm、体重68kg。中学・高校と陸上競技の投てきに励み、高2で日本ユース陸上競技選手権大会JOCカップ砲丸投げ5位、高3で国民体育大会やり投げ4位と好成績を残した。ケガの影響もあって自転車競技に転向して実績を積み、日本競輪学校(現日本競輪選手養成所)に入学。2018年、21歳の時にデビューし、翌年からガールズケイリン特別レースに出走。2022年にガールズケイリンコレクションいわき平ステージで優勝すると、その年末のガールズグランプリ2022で初出場・初優勝の快挙を成し遂げる。