若き才能たちは「NBAドラフト2024」を目前に最後の試練に臨んでいる。ドラフトコンバインに招待されて一躍評価を上げたプレー…
若き才能たちは「NBAドラフト2024」を目前に最後の試練に臨んでいる。ドラフトコンバインに招待されて一躍評価を上げたプレーヤーもいれば、一部球団のスカウトたちはコンバインに参加しなかった隠れた才能にも目を光らせる。
日本のバスケットボールファンとして最も動向が気がかりなプレーヤーは、ネブラスカ大学を10年ぶりのNCAAトーナメントに導いた富永啓生だろう。カレッジスポーツの専門メディア『On3』が運営する『HuskerOnline』のロビン・ウォシュト氏は5月27日、「元ネブラスカ大学の主力である富永啓生は、5月28日にサクラメント・キングス、5月30日にロサンゼルス・クリッパーズと、NBAドラフト前のワークアウトを実施します」とXに投稿した。
『HuskerOnline』は富永をネブラスカ大で通算178本、最後のシーズンに76本の3ポイントシュートを成功させたアウトサイドの名手として紹介。また、1994年以来のNCAAトーナメント進出に貢献し、コーチ投票でオールビッグ10のセカンドチームに選出されたことにも言及したほか、その類稀なシューティング能力から“和製カリー”の愛称で親しまれていると説明した。
キングスはチーム3位の試投数を誇るマリーク・モンクとの契約が今シーズンで終了。シックスマン賞で2位に選出されるほどの目覚ましい活躍によってサラリーアップは免れず、再契約の可能性が不透明とされている。また、セカンドユニットではキーオン・エリスが41.7パーセント、トレイ・ライルズが38.4パーセントの3ポイント成功率をそれぞれ収めているものの、アウトサイドの試投数がリーグ3位であることに対し、成功率がリーグ16位であることから、バックコートのクリス・ドゥアルテやデイビオン・ミッチェルにはステップアップを求めているだろう。
一方のクリッパーズは、ジェームズ・ハーデン、カワイ・レナード、ポール・ジョージが形成する“ビッグ3”にシックスマンのノーマン・パウエルを加えた4人の平均3ポイント成功率が40パーセントを超える。だが、ティロン・ルーヘッドコーチはボーンズ・ハイランド、テレンス・マン、ラッセル・ウェストブルックなどの成功率に不満を抱えているはずで、PJ・タッカーの年齢も考慮すると、アミール・コフィーに並ぶ確率の高い砲台を設置したいと考えているはずだ。
『HuskerOnline』の見解では、富永はドラフト後半と未指名の境目におり、ワークアウトの結果がNBA入りを左右すると予想。だが、彼は日本代表として「パリオリンピック2024」に参加する可能性が高く、熱視線が注がれる国際舞台でアピールする機会もある。
はたして、富永は選手としての真価を示し、夢のNBA入りの切符をつかむことができるのだろうか。
文=Meiji