名だたるスターファイターの中で異彩を放つ井上。その存在感は世界屈指だ。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext 世界で「モンスター」と評される偉才、井上尚弥(大橋)。史上2人目となる2階級での4団体統一を果…

名だたるスターファイターの中で異彩を放つ井上。その存在感は世界屈指だ。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext

 世界で「モンスター」と評される偉才、井上尚弥(大橋)。史上2人目となる2階級での4団体統一を果たすなど、ボクシング史に名を刻む30歳の日本人ファイターに対する評価は揺るぎない。

 そんな井上の価値は世界でどれだけのものなのか。これが今、小さくない話題となっている。キッカケとなったのは、「最も価値がある」とされる米老舗誌『The RING』におけるパウンド・フォー・パウンド(PFP)結果だった。

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 現地時間5月19日にPFPを新たに公表した『The RING』は、前日に行われた世界ヘビー級4団体統一戦でタイソン・フューリー(英国)を破り、ヘビー級において史上初の世界4団体統一王者となったオレクサンドル・ウシク(ウクライナ)を1位に選出。10日前に1位に選ばれていた井上の順位をあっさりと変更した。

 WBAスーパー・WBC・WBOスーパー世界ウェルター級統一王者のテレンス・クロフォード(米国)を含め、3人の2階級での4団体統一王者の中で、「最強」を決めるのは容易ではない。ゆえに井上の“格下げ”は小さくない反発も生んだ。

 賛否両論を巻き起こしているPFPに興味深い持論を展開する識者は少なくない。元2階級制覇王者のティモシー・ブラッドリー氏もそのうちの一人だ。

 現役時代に世界6階級制覇王者のマニー・パッキャオ(フィリピン)と3度も対戦した経験を持つブラッドリー氏。米スポーツ専門局『ESPN』のコメンタリーとしても活躍するレジェンドは、現地時間5月25日に米YouTubeチャンネル『ProBox TV』に出演し、PFPに対する持論を語った。

「クロフォードは凄い技術を持っているから好きだが、いくらなんでも試合をしなさすぎだ。イノウエも俺は好きだ。彼のやっていることは軽量級においてはヤバいことだからね。でも、2人ともウシクほどの偉業をやったことがない」

 より階級が高いクルーザー級とヘビー級で4団体統一を達成したウシクを高く評価したブラッドリー氏。もっとも、以前から井上を「初めてパッキャオと戦ったとき以来の衝撃があった」と語っていただけに、軽量級を軽んじているわけではないだろう。

 もはや議論は尽きないPFP論争。その中心に“モンスター”はいる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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