世界的に有名なテレビオーディション番組『ゴット・タレント』。
その影響力は各国に広がっており、昨年には日本発の『ジャパンズ・ゴット・タレント』も放送が開始され話題になった。

そして今年2月、日本のダブルダッチチーム「HARIBOW」(ハリボー)が、イギリスで行われている『Britain’s Got Talent』(ブリテンズ・ゴット・タレント、以下 BGT)の予選に出場し、ダブルダッチのパフォーマンスを披露。
その結果、BGTでは初となる “オーディエンス ゴールデンブザー”を獲得する最高の形で予選を通過!

きたる今月27日から全6日間にわたって放送されるテレビショーに出演し、番組内で行われる準決勝・決勝に挑むこととなった。

2月の予選出場時の一枚 / 本人提供

Britain’s Got Talentとは先述した通り、世界規模で行われるオーディション番組。各国にも“ゴットタレント”の名がつく番組が存在しているが、このBGTこそが本家だという。

番組を放送しているITVはイギリス最大の民放局といわれ、国内はもちろん、YouTubeやSNSなどに掲載された映像は全世界へ拡散されていく。

世界的な歌手・スーザンボイル氏も、実はこのイギリスで行われたBGTで優勝したことがキッカケで有名となるなど、出演することで世界中からの注目を集めることとなるBGT。
昨年にはお笑い芸人・とにかく明るい安村氏が“トニー”としてBGTに出演し、一躍世界からの注目を集めた。

なおこのBGTで優勝すると、英国王室関係者も出席する募金イベント『ロイヤル・バラエティー・パフォーマンス』への出場と、25万ポンド、日本円にして約4900万円(※執筆日時点)が贈られる。

 

HARIBOW

今回HARIBOWは、1万組から200組に絞られる映像提出の予選審査を通過したのち、今年2月に開催された現地イギリスでの予選に出場。
そしてこの予選でHARIBOWは、BGTの歴史で史上初となる「オーディエンス ゴールデンブザー」を獲得する偉業を達成。

そもそも「ゴールデンブザー」とは、これを獲得することで、制度としては審査員選考が免除され、準決勝進出が確定するというもの。
しかしそれ以上に「審査員にとって最も印象に残った演技に対する最高評価をしたい」という意思表明や、「観客に称賛された参加者の象徴」という、極めて重要な意味合いがある。

そして今回の「オーディエンス ゴールデンブザー」はBGTの10年以上の歴史で初となる制度。
HARIBOWのパフォーマンスを見た観客たちが「ゴールデンブザーを押してくれ!」と一体となって訴えかけたことでブザーのボタンが押されるという、歴史的偉業ともいえる事態が生まれた。

“オーディエンス ゴールデンブザー”の瞬間

世界最高峰と言われる日本のダブルダッチは、音楽と動きを緻密にシンクロさせるスタイルが特徴と言われ、数々の世界大会でも上位を独占するほど独自の発展を遂げている。

世界大会三連覇を成し遂げた
日本を牽引するプロチーム「REG☆STYLE」個人戦においても日本選手が世界をリード

過去には、2015年にアジアズ・ゴット・タレントへ日本のダブルダッチチーム『alttype』が、2022年にはアメリカズ・ゴット・タレントに『Waffle』が出演したことからも分かるように、日本のダブルダッチはパフォーマンスとしてもトップクラス。

HARIBOWもいわゆる“音ハメ”や動きの緩急、そしてメンバーそれぞれが持つ特技を最大化させた見応えのあるパフォーマンスで、これまでの2組も成し得なかった“ゴールデンブザー”を獲得。日本のダブルダッチをより一層世界へ広める契機となった。

2月の予選時点ではメンバー全員が大学生で、最年少のメンバーは現在も大学4年生と、20代前半の若手メンバーで構成されているというHARIBOW。
世界へ向け日本のダブルダッチを広めていくべく、目指すはもちろん「優勝」の2文字だ。

一方、ダブルダッチ・シングルロープを含む「ジャンプロープ」自体も、今年7月にアジア選手権、翌年には世界選手権が神奈川県川崎市で催されるなど、名実ともにジャパニーズスタイルが業界内外共に評価され、熱狂の渦の“中心”となっている。

ダブルダッチと出会い、ひたむきに駆け抜けてきた道の先にあった新たな扉。そこには思わぬ未来が広がっていた。
ダブルダッチ、ひいてはストリートシーンの歴史に、また新たな1ページが刻まれようとしている──。

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