我慢のレースでポイントを持ち帰った角田。3戦連続のポイント獲得と好調を維持している(C)Getty Images

 F1第8戦モナコGPは現地5月26日(日本時間27日)、モンテカルロ市街地コースで決勝が行われ、RBの角田裕毅が8位入賞を果たした。日本人が伝統のモナコで入賞するのは2008年に7位となった中嶋一貴(当時ウィリアムズ)、11年に5位を獲得した小林可夢偉(当時ザウバー)以来、13年ぶり3度目。角田自身も3戦連続入賞となり、「自分たちが練ったプランを尊重しなければならなかったので長いレースになった」とコメントした。

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 1周目にレッドブルのセルジオ・ペレス、ハースのケビン・マグヌッセンらが絡む大クラッシュが起き、赤旗中断となった。F1は雨天のレースを除いてレース中に2種類以上の異なる仕様のタイヤを装着しなければならないが、赤旗中断になった場合は再レース前にタイヤを交換することができる。

 角田はミディアムタイヤでスタートを切っており、赤旗で最も耐久性の高いハードに交換。レース距離は通常のレースよりも30キロほど短い270キロで、低速の市街地コースとあってタイヤの摩耗の具合も厳しくなく、再レース後はそのままゴールまで走りきれてしまう。

 角田は再レースで8番グリッドからスタート。レッドブルなど上位チームのマシンとの車両の性能差を大きいことからスタートで8番グリッドをキープすると、スローペースで走る戦略を選択。タイヤをいたわりつつ、ひたすら後ろのマシンにかわされないように走り続けた。

 6番手はレッドブルのマックス・フェルスタッペン、7番手はメルセデスのルイス・ハミルトン。前のマシンが中盤にピットストップに入るか、アクシデントでリタイアしなければ順位が変動する可能性はまずない。

「あらゆる状況に備えてタイヤをマネージしていいペースで走ることを最大限に考えた」。終盤までに1つ前を走るハミルトンにも周回遅れにされるくらいにペースを落としたが、それだけ慎重だった。

 結果的に上位陣はタイヤ交換せずに走りきり、フェラーリのシャルル・ルクレールが母国初優勝。上位に順位の変動はなく、RB陣営が選んだ我慢の戦略は最善の選択になった。「(無線で)もうプッシュしていいよと言われてからの残り数周は本当に楽しめた」と存分にペースを上げてゴールラインを通過した。

 角田は4点を追加して今季19点でランキング10位をキープ。早くも昨季の獲得ポイントを上回り、参戦1年目の2021年の32点が早くも射程圏に入った。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]


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