【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】 ◆知っておきたい! 血統表でよく見る名馬 【シングスピール】  輸送技術の発達とともに、高額賞金レースを求めて国から国へ渡り歩く馬が現れ始めましたが、シングスピールはその一頭で…

【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆知っておきたい! 血統表でよく見る名馬

【シングスピール】

 輸送技術の発達とともに、高額賞金レースを求めて国から国へ渡り歩く馬が現れ始めましたが、シングスピールはその一頭です。アイルランドで誕生し、イギリスを拠点に世界5ヵ国で走り、インターナショナルS、ジャパンCなどGIを4勝しました。

 母の父に素軽いヘイロー(サンデーサイレンスの父)が入る影響か、重厚なサドラーズウェルズ系ながら日本の軽い芝にも対応しました。その一方でダートもこなしたのは、米古牝馬チャンピオンに選出された母グローリアスソングの影響でしょう。

 母はカナダ生まれの歴性的名牝で、デヴィルズバッグ(タイキシャトルの父)、セイントバラード(米チャンピオンサイアー)の全姉にあたる良血。繁殖牝馬としてはシングスピールのほかに、ラーイ(ジャイアンツコーズウェイの母の父)、グランドオペラ(メイセイオペラの父)などを産みました。

 シングスピールは種牡馬としても大成功。日本で重賞を勝ったアサクサデンエン、ローエングリン、ライブコンサートは、いずれもマイル前後を得意としました。シンハリーズ、サマーハ、プチノワールといった娘たちが優れた繁殖牝馬となり、わが国の馬産に大きく寄与しています。スピード、スタミナ、底力を兼ね備えた万能型です。

◆血統に関する疑問にズバリ回答!

「2024年のダート種牡馬ランキングは?」

 中央ダートと地方競馬を合算した全日本ダート種牡馬ランキングは、現在、1位ヘニーヒューズ、2位シニスターミニスター、3位ドレフォンの順です。

 昨年は1位シニスターミニスター、2位ヘニーヒューズ、3位ドレフォンだったので、1位と2位が入れ替わった形です。

 1位ヘニーヒューズは、地方競馬でアマンテビアンコが羽田盃を勝ちました。6、7月と地方競馬を中心にビッグレースが目白押しなので、まだまだランキングは流動的です。アマンテビアンコは骨瘤により東京ダービーを見送ることになりました。

 来月行われる帝王賞には、ヘニーヒューズ産駒のセラフィックコールや、シニスターミニスター産駒のキングズソードが出てくるかもしれません。ランキングが変わってくる可能性があります。