【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】 ◆血統で振り返るオークス 【Pick Up】チェルヴィニア:1着  父ハービンジャーはオークスと相性が良く、モズカッチャンが2着、ナミュールが3着、ジェラシーとディアドラが4着…

【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆血統で振り返るオークス

【Pick Up】チェルヴィニア:1着

 父ハービンジャーはオークスと相性が良く、モズカッチャンが2着、ナミュールが3着、ジェラシーとディアドラが4着、プレサージュリフトが5着と、これまで多くの産駒が掲示板に載ってきました。勝ったのはチェルヴィニアが初めてです。この6頭はすべて人気よりも着順が上回っています。ハービンジャーはオークスで頼りになる種牡馬といえるでしょう。

 チェルヴィニアは「ハービンジャー×キングカメハメハ」。この組み合わせは東京芝2400mで勝率35.5%、連対率41.2%と成績抜群。ハービンジャー産駒の当コース実績(勝率11.2%、連対率20.1%)を大きく上回り、オークスでは2017年にモズカッチャンが6番人気で2着に食い込んでいます。ハービンジャー産駒の配合のなかでもとくに東京芝2400m向きといえるでしょう。

 母チェッキーノは2016年のオークスでシンハライトの2着。半兄ノッキングポイントは新潟記念の勝ち馬で、昨年の日本ダービーは15番人気ながら5着に食い込みました。母方の血も東京芝2400mに高い適性を示しています。

 ステレンボッシュの落鉄があったとはいえ、チェルヴィニアにとって東京芝2400mは能力を十全に発揮できる舞台だったといえるでしょう。いずれジャパンCに出走することがあれば注目してみたいところです。

◆血統で振り返る平安S

【Pick Up】ミトノオー:1着

 父ロゴタイプは、現役時代に皐月賞、安田記念、朝日杯FSと3つのGIを勝ちました。種牡馬としては、仔の性別によって産駒のタイプが異なり、牡はダート向き、牝は芝向き、という傾向が出ています。牡は、ミトノオーのほかに東海SとレパードSで2着となったオメガギネス、牝は、ラブリイユアアイズ(阪神JF2着)、シカゴスティング(ファンタジーS3着)が出ています。

 以前は、先に行って粘り強いものの、自分の競馬ができないと脆い、というタイプでしたが、今回は同型のメイショウフンジンに絡まれながらも、最後まで闘志が衰えることなく逃げ切りました。松山騎手の好騎乗と同時に、気性面の成長もうかがえます。