19日のレッズ戦ではサヨナラ打を放った大谷。その表情は清々しいものだった。(C)Getty Images  世間を騒然とさせた一大スキャンダルにも平静を貫いた大谷翔平(ドジャース)。スターの覚悟を示した彼の姿は、チーム…

 

19日のレッズ戦ではサヨナラ打を放った大谷。その表情は清々しいものだった。(C)Getty Images

 

 世間を騒然とさせた一大スキャンダルにも平静を貫いた大谷翔平(ドジャース)。スターの覚悟を示した彼の姿は、チームメイトの胸を打ったようだ。

 現地時間5月16日に、カブスの先発右腕ジャスティン・スティールがホストを務める米ポッドキャスト番組『Steele The Show』に出演したドジャースのタイラー・グラスノーは、大谷の元専属通訳だった水原一平容疑者のスキャンダルに言及。最終的に「被害者」と断定された二刀流スターが見せた稀有な振る舞いを改めて明かした。

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 チームメイトや首脳陣ですらも寝耳に水の一大事だった。

 2019年頃から本格的に違法賭博に興じたという水原被告は、胴元との間に純損失4070万ドル(約62億2710万円)という負債を抱え、その支払いをあろうことか、大谷の給与口座から不正盗用。およそ1600万ドル(約24億5000万円)以上を悪用していた。

 3月21日に米スポーツ専門局『ESPN』で事件が世間に明るみになって以来、銀行に対して大谷を装って振り込みを行うなど次々と水原被告の悪質な手口が明るみとなっていった。大谷にとっては「一番お世話になった」という人物の“蛮行”が、チームメイトにもショックを与えたのは想像に難くない。

 当時を「やっぱり驚いた」と振り返るグラスノーは、「オオタニの通訳が犯した事件で、彼やチームは影響を受けたか?」と問われ、「もちろん、事件が分かった最初の頃は、絶対に影響があったと思う」と告白。そのうえで、こう続けている。

「ショウヘイは本当にうまく振舞ってくれたと思う。彼は物事の切り替えが凄く上手いんだ。フィールドもそうだし、クラブハウスでも、普段と全く変わりなかったよ。おかしな事件が起きてるなんて、とても感じさせない。最初の頃から、『自分は事件に関わってない。だから外野はうるさいけど、今はしょうがない』という感じでね。そういう行動に僕は、ハッキリ言って、マジで感心したよ」

 さらに「普通なら『野球界の顔』という状況だけで、相当なストレスなのに、あの事件だ」と強調するグラスノーは、グラウンド外で同僚に見せる偉才の“素顔”も語っている。

「でも、ショウヘイは全くストレスをためないんだ。どんな時も、いつも通りニコニコしていて、ハッピーな男なんだ。彼は事件に対しても自分は関わってないから関係ないって感じを貫いていた。僕は彼をめちゃめちゃ尊敬しているよ。ある時、4打数ノーヒットでケージ練習に来た時があったんだけど、彼は僕に『やあ!』って、本当にニコニコとして接してくれたんだ。彼は本当にストイックでもある」

 まさかの“裏切り”に遭った自身にも調査のメスが入るなど、苦心の日々が続いた春先。それでもなお、グラウンド上でプレッシャーをはねのけ続けた大谷の姿は、超名門ドジャースの中でも大きな刺激となっているようだ。

 

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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